研究課題/領域番号 |
09044182
|
研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
平井 聖 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (50016325)
|
研究分担者 |
グエン バ・ダン 建設省建築研究所, 副所長
山田 幸正 東京都立大学, 工学部, 助教授 (10191347)
斎藤 英俊 東京芸術大学, 大学院・文化財保存学, 教授 (30271589)
福川 裕一 千葉大学, 大学院・多様性科学科, 教授 (90156761)
友田 博通 昭和女子大学, 国際文化研究所, 教授 (00155582)
|
キーワード | ベトナム / 民家調査 / 重要文化財 / 修復技術指導 / ベトナム民家史 / 木造架構形式 / 竹構造の影響 / 編年指標 |
研究概要 |
調査は、ベトナム文化情報省文化財保護局と各省の文化情報部に協力する形で、3省において伝統的民家の文化財調査を実施した。ハノイ近郊バクニン省では建設省建築研究所とハノイ建築大学とハノイ建設大学、フエ省ではフエ王宮保存事務所とフエ大学、ホーチミン近郊ドンナイ省ではホーチミン建築大学と日本側の共同調査とし、ベトナム全4建築大学が参加した。 第一次調査は、各村落の代表者が古い民家をリストアップし、各省文化情報部と担当大学が訪問し写真撮影し調査表を記入、第二次調査は第一次調査から1割強を選択して担当大学による詳細調査を実施した。バクニン省は第一次800軒第二次90軒、フエ省は第一次700軒第二次70軒、ドンナイ省は第一次300軒第二次25軒を実施した。 初年度調査したバクニン省については、既に分析が終了、3軒の重要文化財指定候補の選定が同意され、内1軒を日本文化庁の技術指導で修復するよう要請された。他の二省については、調査を今年度(2年目)実施し、現在図面作成を完了し分析中である。 現時点での調査結果を簡略に述べると、バクニン省の民家は南中国の木造建築様式と共通性が高いが、フエ省の民家は竹構造と木構造が混ざり合い木造建築様式はその延長上に発展し、ベトナム独自のフエ王宮の架構形式に影響したと推測された。ドンナイ省の民家ではフエ王宮に見られる木造建築様式と、南方系と推測される棟柱形式が見られた。 フエ省・ドンナイ省も早急に分析を完了し、重要文化財指定候補、日本文化庁の技術指導対象家屋の選定を行う。また、ベトナム側からの強い要請によりさらに八省で同様の調査を実施、ベトナムにおける編年指標を確立するとともに、ベトナム民家史の体系化にも目途をつけたい。
|