研究課題/領域番号 |
09044187
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
山口 真史 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50268033)
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研究分担者 |
BARNHAM Keit Imperial College, Blanket Laboratory, Group Lead
山本 あき勇 福井大学, 工学部, 教授 (90210517)
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キーワード | 量子井戸構造 / 太陽電池 / 光起電力効果 / ヒ化ガリウム / ヒ化インジウムガリウム |
研究概要 |
p-i-n構造に多重量子井戸(MQW;Multi-Quantum Well)を導入することにより、太陽電池の光電流密度の増加がはかられ、太陽電池の高効率化(30%以上)が期待できる。今年度は、GaAs/InGaAs系MQW構造の物性と同構造による太陽電池の集光動作特性について、主に検討した。 GaAs/InGaAs系は光電流密度の向上は期待できるが、GaAsとInGaAsとの格子定数の不整合に伴う格子不整転位の発生による結晶性の低下が課題であった。 格子整立を0.14%以下に低減することにより、GaAs/InGaAs MQW構造太陽電池で効率18%(1-sun)を達成した。また、同構造太陽電池の集光動作特性を検討した結果、光強度の増加に伴なう効率向上に関して、スーパーリニア効果を見い出した。 深い準位に関する評価の結果、MQW構造太陽電池の活性層は、トラップ密度が高いことがわかった。活性層はキャリア濃度も低いため、低集光倍率下でも高注入条件となると考えられ、光照射による再結合中心の飽和が起こり、少数キャリア寿命が光強度の増加と共に増加し、スーパーリニア効果が観測されたと考えられる。以上の結果、4倍集光で効率22%、10倍集光で効率23%を実現することができた。
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