研究概要 |
本年度は,カオススニット及びカオスネットワークの設計を行った. カオスユニットは,ある単純な非線形関数と一個の時間遅れ要素から構成される.非線形関数には,シグモイド関数やN型関数あるいはそれらの合成関数など様々な写像関数が考えられる.それらに中から効果的なカオス遍歴が作り出せる写像関数として飽和逆N型の非線形関数を見つけ出した。 そのカオスユニットをネットワーク結合させ,ネットワークの内部状態を観察した.記銘したパターンに類似したパターンを想起した場合および類似していないパターンを想起した場合の内部状態を比較し,記憶の機能との関連性および,効率よく類似したパターンのみを想起する手法を考察した. また,ダイナミカルなカオスネットワークの実現のためには,ネットワークから生成される時系列信号を解析し,想起回数の向上のために調整すべきパラメータを抽出した. 一方,カオスネットワークの学習性能についての解析,及び応用の可能性の調査も行った.
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