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1997 年度 実績報告書

タイ王国におけるバイオ・エコエンジニアリング活用自然強化型水環境修復技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09044198
研究機関国立環境研究所

研究代表者

稲森 悠平  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (10142093)

研究分担者 西村 修  東北大学, 工学部, 助教授 (80208214)
林 紀男  千葉県立中央博物館, 環境科学研究科, 学芸研究員 (60250156)
藤本 尚志  東京農業大学, 農学部, 助手 (50297595)
水落 元之  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (50260188)
松村 正利  筑波大学, 応用生物科学系, 教授 (50015781)
キーワード水環境修復技術 / 自然強化型 / バイオ・エコエンジニアリング / 水生植物 / 微小動物 / 捕食被食 / 食物連鎖 / 生物間相互作用
研究概要

本研究課題では、生活系・産業系排水等の流入により水辺環境が著しく悪化しつつあるタイ王国における、安全な水資源の確保のための水源域のバイオ・エコエンジニアリングを活用した自然強化型水環境修復技術の確立を目的とした検討を行っている。平成9年度における研究実績の概要は以下に述べるとおりである。
水環境を修復し、健全な生態系を創造する上での基礎となる重要な水源域の汚濁物質の質と量の調査による知見の収集を行ったが、人口密集地域の水源としてのクローン・池・湖においては生活排水の流入量が大きく、水質汚濁の進行が著しい上に大腸菌群が観察されるなど衛生面でも大きな問題を有しており、緊急の対策の必要性が示唆された。また、食品工場等の排水処理施設における生物相等の調査により、処理水の透明化を図るためには微小動物の定着能の強化が重要であることが明らかとなった。なお、エコエンジニアリングとしての人工湿地を活用した低濃度汚濁水の処理についての検討より、ヨシやガマなどの水生植物の根圏が極めて高い窒素除去能力を有すると同時に、これらの植物は年間を通じて常に再生産が行われることから熱帯地域における安定した処理手法として大きく期待できることが明らかとなった。さらに、これらの水生植物の種類の違いにより根圏に生息する生物種が異なり、生物間相互作用が浄化能強化に重要であることが明らかとなった。また、バイオエンジニアリングとしての活性汚泥処理施設における沈殿槽にグッピ-等の魚類を生息させることは、植物連鎖の高次化により処理水の透明度の向上および汚泥の減量化に効果的であり、捕食被食系の強化を図ることが重要であること、浄化槽において、処理水質向上に大きな役割を果たす微小動物の定着の場創りのための固定化技術開発および省エネ・省コスト型の簡便な維持管理手法の開発は極めて重要な位置づけにあることが明らかとなった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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