研究課題/領域番号 |
09044199
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
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研究分担者 |
NENE Vishnas 国際家畜研究所, 研究員
BISHOP Richa 国際家畜研究所, 研究員
MORZARIA Sub 国際家畜研究所, 研究員
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | ゲノム解析 / タイレリア / BACライブラリー / 原虫 / Expressed Sequence tag |
研究概要 |
本研究はタイレリア原虫のゲノム構造の一端を明らかにし、種分化におけるゲノムの構造変化の解析、ワクチン開発上の有用遺伝子の探索などに有能な情報をゲノムサイエンスから得ることを目的としてきた。 まず、Theileria parvaのcDNAライブラリーから得られたクローン計800クローンの塩基配列情報を得た。これらのうちいくつかは染色体上にマッピングし、expressed sequence tagとして有効に利用できることが判明した。各塩基配列について、BLASTSEARCHにより既知遺伝子配列との相同性を解析した。また、50-200キロベースのT.parvaゲノム断片を含むBacterial artificial chromosome(BAC)ライブラリーを作製した。ライブラリーは約3600クローンがらなり、T.parvaの全ゲノムをカバーするものを作製し得た。また、スポロゾイト表面抗原遺伝子など原虫増殖に重要な遺伝子を含むBACクローンを特定できたことから、その周辺のゲノム構造解析が可能となった。 T.sergentiについては染色体が4本であること、各染色体サイズとそれぞれを合計したゲノムサイズ(約10Mb)とT.parvaのそれと一致することを確認した。さらにいくつか遺伝子を各染色体上にマッピングしT.parvaと比較したところ、両種の原虫間では一部シンテニーが保存されておらず、染色体構造が一部異なることが示唆された。 タイレリア原虫の全ゲノム構造を明らかにするにはさらに研究を進める必要があるが、多くのESTが得られたこと、また有用なBACライブラリーが樹立できたことにより、今後タイレリア原虫およびその類縁原虫のゲノム解析の基盤が本研究により築かれた。
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