研究課題
国際学術研究
(1) 寄主-寄生蜂系における寄生蜂の寄生効率と変動性・持続性の関係今年度は、寄主-寄生者のメタ個体群系で、寄生蜂の寄生行動の違いによって寄生効率が変わることにより、構成種の個体数変動性と系の持続性がどのように変化するかを調べた。実験は嶋田が担当した。その結果、寄生効率が高くなりすぎると、構成種の個体数変動の振幅が大きくなり、また平均個体数も低下して、全体として、系の持続性が弱まることが分かった。M.Crawley教授とM.Bonsall講師をインペリアルカレッジから招聘し、この実験系の挙動をめぐって、研究打ち合わせを行った。(2) 寄主-寄生蜂系における共進化動態変化に伴う進化的側面の解析として、嶋田が寄生昆虫-細胞内共生微生物の野外・実験系で、また、Godfrayの寄主昆虫-共生微生物系の実験をそれぞれの部署で行った。そのデータをもとに、巌佐・佐々木グループが寄主-寄生者系の進化をゲーム理論モデルで解析した。また、M.BonsallはH9年度まで研究分担者に加わっていた津田みどり(九大・理・助手)の実験系を対象に、寄主-寄生者系の共進化動態をモデル解析した。(3) 寄主-寄生蜂系の群集構造の解析Godfrayは植物-アブラムシ-寄生蜂系で、嶋田はマメ科-マメゾウムシ-寄生蜂系で、それぞれ群集構造の定量的調査を行い、嶋田がインペリアルカレッジに出張して、M.Hassell・Godfrayと共に研究打ち合わせを行った。
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