研究課題
昨年度までで一応ヨーロッパ型畑作とアジアの水田における持続型農業の比較研究を一段落した(Avibardictal.1998)ので、本年度はヨーロッパの平坦地畑作地帯と大きく異なる生態下にある低湿地を主体とするオランダ農業、ヨーロッパ北限の畑作地帯、アメリカ大陸畑作北限地帯における持続的生産をめぐる諸問題の聞き取り、現地調査をオランダ、イギリス、カナダの研究者の協力を得て実施する(3月6日-3月17日)。(秋田)また、耕起および不耕起処理がAM菌を中心とする土壌微生物相にどのような影響を与えるかなど、AM菌の生態を日本とスイスの圃場において検討することを目的とした。本年の交流では、まずAM菌胞子の計数や同定法について検討した。日本の田無においては、AM菌胞子の数がスイスに比べて著しく少ないこと明らかになった。前作や重金属による影響とは見られないことから、AM菌相の違いが胞子の数に反映しているのではないかと考えられる。(小柳津、Mozafar、Frossard)さらには、保全型耕起にともなう生物多様性の増加について検討、特に本年は土壌の微生物相の評価を行ったところ、スイスにおける小麦の栽培圃場においては、保全型耕起の一種であるチゼル耕によって慣行のプラウ耕に比べて土壌中の細菌数と糸状菌数が増加する傾向がみとめられ、土壌病害の軽減に活用する可能性が示唆された(中元)。なお、圃場の不均一性を評価する一方法として、作物の生育状況をバルーンを用いたリモートセンシングの適用の可能性について検討中(山路)。
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