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1997 年度 実績報告書

精子・卵相互作用の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09044210
研究種目

国際学術研究

応募区分共同研究
研究機関東京工業大学

研究代表者

星元 紀  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)

研究分担者 VACQVIER Vic  カルフォルニア大学, サンディエゴ校, 教授
LENNARZ Will  ニューヨーク州立大学, スドニーブルック校, 教授
千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70222130)
松本 緑  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
キーワード先体反応 / 卵・精子結合 / 糖鎖 / キヒトデ
研究概要

キヒトデの卵ゼリー層を構成する硫酸化糖蛋白質であるARISは、先体反応を誘起する主要な因子であると考えられる。本年度は、ARISの活性をもつ最小糖鎖構造であるFr(1)を用いて、Fr(1)にピリジルアミノ化を応用してベンゼン環を導入し、^<125>I標識して、精子との結合実験をおこなった。Scatchard解析の結果、受容体には、高親和性と低親和性の二つのタイプが存在し、高親和性の受容体は、Kd値が1.45x10μM、精子1細胞あたりの受容体数(Bmax)は、8.38x10^4であった。一方、低親和性の受容体は、Kd値が4.43x10^2μM、Bmaxは、1.89x10^6と算出された。また、Fr(1)が5糖の繰り返し構造をとる直鎖の硫酸化糖鎖であることに着目して、Fr(1)の鎖長の精子への結合能に与える影響を調べた。^<125>I-P-ARISと精子の結合実験の際に、平均鎖長の異なる非ラベルのFr(1)及び、P-ARISを系に加えて、^<125>I-P-ARISの精子への結合の阻害効果を指標に、Fr(1)の平均鎖長による精子への結合能をみたところ、平均鎖長による大きな違いがないことが明らかになった。Fr(1)をTFMS処理によって切断する実験では、強い処理でFr(1)分子が小さくなるほど先体反応誘起率が低下するという結果を考えると、Fr(1)と受容体の結合そのものには、Fr(1)分子全体の大きさは影響を与えないとしても、その下流に存在する先体反応に至る情報伝達の過程においては、Fr(1)分子がある程度の大きさを持ち、ある3次元的構造を保つことで、複数の結合部位を近位に保ち、受容体同士の凝集を促して、情報を伝えるということも考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] M.Ogiso, N.Saito, M.Hoshi and M Komoto: "Developmental changes in carbohydrate antigens in embryonic rat lens" Glycobiology. 7. 605-625 (1997)

  • [文献書誌] H.Shogomori, K.Chiba and M.Hoshi: "Association of the Major Ganglioside in Sea Urchin Eggs with Yolk Lipoproteins" Glycobiology. 7. 391-398 (1997)

  • [文献書誌] S.Koyota, K.S.Swarna Wimalasiri and M.Hoshi: "Structure of the main saccharide chain in the acrosome reaction-inducing substance(ARIS)of the starfish,Asterias amurensis" J.Biol.Chem.272. 10372-10376 (1997)

  • [文献書誌] T.Nishigaki, K.Chiba and M.Hoshi: "Structure and function of asterosaps,sperm-activating peptides from the jelly coat of starfish eggs." J.Rep.Dev.43 Suppl. 115-116 (1997)

  • [文献書誌] M.Byrne, A.Cerra, T.Nishigaki and M.Hoshi: "Infestation of the testes of the Japanese sea star Asterias amurensis by the ciliate Orchitophyra stellarum:a caution against the use of this ciliate for biological control" Dis.Aquat.Org.28. 235-239 (1997)

  • [文献書誌] K.Chiba, E.Sato, and M.Hoshi: "Detection of In Vivo Proteasome Activity in a Starfish Oocyte Using Membrane-Impermeant Substrate" J.Biochem.122. 286-293 (1997)

  • [文献書誌] M.Byrne, A.Cerra, T.Nishigaki and M.Hoshi: "Echinoderma:San Francisco" Balkema,Rotterdam, (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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