研究課題/領域番号 |
09044212
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
三川 潮 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60012613)
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研究分担者 |
渋谷 雅明 東京大学, 薬学部, 助手 (50170923)
岩浪 直子 富山医科薬科大学, 薬学部, 教務職員 (90283077)
黒崎 文也 富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (70143865)
FLOSS Heinz ワシントン大学, 化学科, 教授
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キーワード | chalcone synthase / stilbene synthase / CHS superfamily / 交差反応 / メチロトフ酵母 / pNOTeI / Candida boidinii |
研究概要 |
脂肪酸や放線菌、真菌類が生産する抗生物質には酢酸-マロン酸、プロピオン酸-メチルマロン酸を原料にして共通の反応経路で合成される化合物をポリケタイドと呼んでいる。ポリケタイドの生合成に関与する酵素は、それぞれの酵素反応を行うユニットが独立して存在するII型と単一の蛋白が多機能性をもつI型に分けられる。いずれにせよ分子量は大きく、I型の場合もっとも簡単な化合物である6-メチルサリチル酸の合成酵素でも分子量は180KDである。一方植物に普遍的に存在するッフラボノイドの骨格生合成を触媒するカルコン合成酵素(Chalcone synthase : CHS)は分子量が43KD程度であり、格段に小さい蛋白であるが、ポリケタイドに特徴的なマロニルCoAによる炭素鎖の伸長と中間体の閉環による芳香環の形成といったポリケタイド合成酵素の特徴を備えている。現在では多数の植物からCHS superfamilyと呼ばれる遺伝子がクローニングされているが、実際に異種発現系を用いてCHSあるいはスチルベン合成酵素(stilbene synthase : STS)の活性が確認されている例は少ない。本研究は、1)STSの閉環反応が脱炭酸と共役して閉環反応が起こると考えられる反応機構の解明、2)CHS,STSの環化反応の立体化学、3)CHS superfamilyに属すると考えられる化合物の合成酵素の探索を目的にして研究を行っている。本年度はCHS,STSの異種発現系について検討し大腸菌によるpET3dに加え、メタノール資化酵母であるCandida biodiniiによるpNOTeIでの発現を検討した。その結果pNOTeIでの発現は良好で、細胞破砕上清をSDS-PAGEにかけると目的の蛋白のバンドを確認出来、高い酵素活性が確認された。CHS,STSが共に少量ではあるが相手側の化合物を作ることは、酵母の発現系でも確認され今後反応条件による交差反応性を検討する予定である。
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