研究課題
国際学術研究
平成8年10月19日より24日に、研究代表者前多敬一郎がミシガン大学を訪問し、アメリカ側研究分担者のミシガン大学産婦人科のDouglas Foster教授、および同大学研究員Robert Thompsonとともに、ヒツジを用いた共同実験を実施した。この共同実験では、低栄養時のLH分泌抑制機構における肝臓内血糖センサーの役割を調べるため、共同実験の前半において前多とフォスターがヒツジの肝門脈内にカニューレを留置する手術を実施した。共同実験の後半では、研究分担者の束村及び大蔵、ならびに研究協力者の黒田が実験に参加し、留置カニューレを通して肝門脈血管内に局所的に血糖利用阻害剤である2-depxugluxose(2DG)をヒツジに投与し、LH分泌を観察した。その結果、摂食行動が誘起され、LH分泌は顕著に抑制された。しかし、頚静脈からの投与も同様にLH分泌を抑制したので、低血糖時に起こるLH分泌抑制は、肝臓以外に存在する血糖センサー(中枢など)による可能性も否定できなかった。また、平成9年10月25日より同10月29日にかけて、研究代表者前多敬一郎および研究分担者の束村及び大蔵、ならびに研究協力者の黒田が、ニューオリンズで開催された北米神経科学会に参加し、本国際共同研究の結果を発表し、関連分野の研究者と討論を行った。両グループ間では、これら共同実験のみならず、インターネットを用いて頻繁にアイデアや進行中の実験に関する情報を交換し、仮説や研究計画を構築している。
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