研究課題/領域番号 |
09044218
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
相原 茂夫 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (20027197)
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研究分担者 |
山根 隆 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80030055)
デルーカス ローレンス アラバマ大学, バーミンガム校・巨大分子結晶解析センター, 教授
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キーワード | 微小重力 / 結晶成長 / ニワトリ卵白リゾチーム / 宇宙 / スペースシャトル / ハンギングドロップ法 / 単斜晶 / 正方晶 |
研究概要 |
スペースシャトルを利用して宇宙の微小重力場でニワトリ卵白リゾチームの結晶成長実験を実施した。3種類の結晶化条件のうち、正方晶と単斜晶の条件で結晶化に成功し、現地(米国、UAB)でこれら2種類の単結晶についてX線回折実験を行い、回析データを収集した。その結果、これまでの宇宙実験の中では最も精度の高いデータ(正方晶:1.6Å、単斜晶:1.7Å)を得ることができた。 タンパク質結晶成長に対する宇宙の微小重力場の影響をX線結晶学的観点から解明するため、構造解析を行い、地上のデータと比較した。主鎖の温度因子や結晶内の分子間相互作用について僅かに差異が認められたが、いわゆる、宇宙で晶出した単結晶の高い結晶性やモザイシティの低さを説明できるような証左は得られなかった。宇宙の単結晶の方が地上の単結晶に比べてX線結晶学的に良質のデータが得られる理由として結晶内の分子配列が広範囲にわたって正確に配向していることが予測されるが、これを示唆する結果としては結晶のパッキングエネルギーの中でタンパク質分子表面の静電相互作用が最も大きなエネルギーとなっていることが挙げられる。タンパク質構造そのものは両者の間に差異は認められなかった。
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