研究課題/領域番号 |
09044225
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
峰雪 芳宣 広島大学, 理学部, 助教授 (30219703)
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研究分担者 |
GIDDINGS.JR トーマス コロラド大学, 分子細胞発生生物学科・電子顕微鏡ユニット, 主任
STAEHELIN L. コロラド大学, 分子細胞発生生物学科, 教授
村田 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00242024)
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キーワード | 加圧凍結装置 / 電子顕微鏡 / 急速凍結法 / 微小管 / 分裂準備帯 / 細胞質分裂 / 根端分裂組織 |
研究概要 |
高等植物の細胞分裂面は、核分裂前に微小管が細胞表層に帯状に配向してできる分裂準備帯(preprophase band)と呼ばれる構造が出現する位置に挿入されるため、分裂準備帯形成の分子機構を明らかにすることが分裂面挿入位置決定機構の解明には必須である。我々は今までに、アクチンやサイクリン依存性キナーゼが分裂準備帯の微小管の定位に関与していることを示したが、その分子機構は未解決であった。これらの分子と微小管が生体内で実際にどのような相互作用を行なうことにより分裂準備帯が形成されるのか調べるために、電子顕微鏡レベルでの微小管、細胞膜とこれらの分子との関係の解析が必要になって来たが、微小管が動的な比較的不安定な構造のため、従来の化学固定を使った電子顕微鏡法ではその解析に限界があった。前回の共同研究で、この技術的障害を解決するのに高圧極低温固定法(加圧凍結法)による超微細構造観察が有効であることが分かったので、本研究では加圧凍結装置を使って急速凍結した試料の微小管とその制御因子との位置関係を電子顕微鏡で観察し、どの分子が直接微小管と微小管を束ねるのに働いているのか、また、膜と微小管との連結に関与しているのはどの分子なのかを解明することを目的としている。今年度の研究で根端分裂組織の加圧凍結法を改良し、タマネギでは表皮から3層目まで、タバコではすべての細胞を十分満足のいく状態に凍結することが可能になった。その結果、アクチンは微小管の帯が細胞表層に広がるのを阻止するのに働いていること、また、微小管が脱重合している瞬間を捕えたと思われる像と新しいタイプのオルガネラが見つかった。来年度はこれらについてさらに詳細な解析を行うととものに、分裂準備帯を観察するための凍結割断法の改良と免疫電子顕微鏡法の開発を続けたいと思っている。
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