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1998 年度 実績報告書

高圧極低温固定装置を利用した微小管の表層での存在様式の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09044225
研究機関広島大学

研究代表者

峰雪 芳宣  広島大学, 理学部, 助教授 (30219703)

研究分担者 GIDDINGS Jr  コロラド大学, 分子細胞発生生物学科電子顕微鏡ユニット, 主任
STAEHELIY L.  コロラド大学, 分子細胞発生生物学科, 教授
唐原 一郎  富山大学, 理学部, 教授 (60283058)
村田 隆  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (00242024)
キーワード加圧凍結装置 / 電子顕微鏡 / 休息凍結法 / 微小管 / 分裂準備帯 / 細胞質分裂 / 根端分裂組織
研究概要

高等植物の細胞分裂面は、核分裂前に微小管が細胞表層に帯状に配向してできる分裂準備帯(preprophase band)と呼ばれる構造が出現する位置に挿入されるため、分裂準備帯形成の分子機構を明らかにすることが分裂面挿入位置決定機構の解明には必須である。我々は昨年までに、高圧極低温固定法(加圧凍結法)で固定した植物の実生の分裂組織の超薄切片の観察を可能にし、分裂準備帯の微小管の端が開裂端になっている構造を見つけた。そこで、まず、この構造が本当の構造なのか、それとも、固定の過程で行う加圧と低温による傷害なのか、明らかにする努力を行った。その結果、この構造は、間期表層微小管でも見られることが明らかになった。また、in vitroの実験から、微小管端は重合している時と脱重合している時とで開裂端の形が異なると考えられているが、この両方の形が観察されることから、この微小管端の像がin vitroで示唆されていた、微小管の重合、脱重合の瞬間をin vivoでとらえた最初の像の可能性が出てきた。これらの微小管端の出現頻度を定量化するため、連続切片の作製とともに、コロラド大学の超高圧電子顕微鏡部門の技術を使った、厚い切片による3次元立体観察法を検討し、この方法が有効なことがわかった。現在、いくつか微小管の重合、脱重合の条件を変える状況での試料の作製を行っており、来年度はこれらの解析を行いたい。また、今年度から、分裂準備帯に存在する小胞の解析も開始し、従来考えられていたのと異なり、分裂準備帯に存在する小胞は大半がcoated vesicleであることが判明し、膜上に分散していた因子が分裂準備帯領域での膜のリサイクルにより分裂面挿入予定位置に集められる可能性が出て来た。来年度はこの仮説についても検証したい。また、分裂準備帯を観察するための凍結割断法の改良と免疫電子顕微鏡法の改良も続ける予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 峰雪芳宣、村田隆、T.H.Giddings, L.A.Steahelin: "加圧凍結法による高等植物実生分裂組織細胞の観察" Plant Morphology. 10・1. 30-39 (1998)

  • [文献書誌] Y.Mineyuki: "The preprophase band of microtubules : Its function as a cytokinetic apparatus in higher plants" International Revies for Cytology. 187. 1-49 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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