研究課題/領域番号 |
09044225
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
峰雪 芳宣 広島大学, 理学部, 助教授 (30219703)
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研究分担者 |
唐原 一郎 富山大学, 理学部, 助手 (60283058)
村田 隆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (00242024)
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キーワード | 加圧凍結 / 電子顕微鏡 / 微小管 / 分裂準備帯 / 細胞質分裂 / coated vesicle / 根端分裂組織 / トモグラフィー |
研究概要 |
高等植物の細胞分裂面は、核分裂前に微小管が細胞表層に帯状に配向してできる分裂準備帯(preprophase band)と呼ばれる構造が出現する位置に挿入されるため、分裂準備帯形成の分子機構を明らかにすることが分裂面挿入位置決定機構の解明には必須である。昨年とー昨年の加圧凍結装置を使った実験の結果、タマネギとタバコである程度満足のいく固定ができるようになり、トモグラフィーを使った3次元観察も可能になった。また、分裂準備帯の微小管のダイナミックスに伴うと思われる微小管端の構造変化、表層でのアクチンフィラメントの存在、および分裂準備帯中に存在する小胞の大部分が被覆小胞であることを見つけた。そこで、今年度は、超薄切片の立体再構成とトモグラフィー法を用いて、微小管端の構造変化、表層でのアクチンフィラメントの定量的な解析、分裂準備帯中に存在する小胞の解析を行った。まず、我々がin vivoで初めて見つけた脱重合型の微小管の開裂端が本当の構造なのか、それとも、固定の過程で行う加圧と低温による傷害なのかはっきりさせる目的で、間期表層微小管を使ってその出現頻度の定量的解析を行った。その結果、オリザリンで微小管が脱重合中の試料では、この構造の出現頻度が増大することを明らかにした。この結果は、この像が本当に脱重合している微小管の端を捕らえた像であることを強く示唆した。また、アクチンの阻害剤のサイトカラシンで誘導した幅広分裂準備帯の構造の定量的な解析を行い、分裂準備帯形成におけるアクチンの役割について考察した。分裂準備帯に存在する小胞の定量的な解析も開始し、分裂準備帯にはこの小胞が他の場所の3倍の密度で存在していることが分かってきた。この解析はまだサンプル数が少ないが、今後より詳しい解析をすることにより、分裂準備帯での位置情報蓄積の新しいモデルの提出が期待できる。
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