研究課題/領域番号 |
09044228
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松下 一信 山口大学, 農学部, 教授 (50107736)
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研究分担者 |
右田 たい子 山口大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90159161)
三芳 秀人 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20190829)
山田 守 山口大学, 農学部, 助教授 (30174741)
外山 博英 山口大学, 農学部, 助手 (60240884)
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キーワード | ピロロキノリンキノン / キノプロテイン脱水素酵素 / グルコース脱水素酵素 / アルコール脱水素酵素 / X線構造解析 / Pseudomonas putida / 大腸菌 / 酢酸菌 |
研究概要 |
本研究は、ピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵素とするキノプロテイン脱水素酵素である大腸菌のグルコース脱水素酵素(GDH)および酢酸菌やPseudomonasに存在する異なる2種類のアルコール脱水素酵素(ADH)の構造と機能の解明を目的として、本年度は、以下に示す研究成果を得た。1)大腸菌GDHのこれまでの研究によりPQQの周辺にあって酸化反応に関与すると予想されたGDHのアミノ酸残基の部位特異的変異体を調製し、細胞膜から精製したそれらの変異体のキネティクス解析を行った。その結果、His-262はPQQとともにグルコースの結合部位の近辺に、Trp-404はPQQの下部に近接して存在し、さらにAsp466がグルコースからのプロトンの引き抜きに、Lys-493がPQQH2からの電子移動に、それぞれ関与することを推定した。PQQと触媒部位を含む親水性のC-末端領域だけの発現に成功し、その領域だけで電子伝達活性があることが示された。2)Pseuudomonas putidaのtypeII ADHとアズリンのクローニングが進められ、アミノ酸配列の解析がそれぞれ50%及び90%まで完了した。また、ADHの関与する電子伝達系を膜小胞もしくは精製したチトクロムオキシダーゼにADHをアズリンとともに添加することで再構成した。その結果、AD-アズリン-チトクロムオキシダーゼからなるシアンに感受性のルートに加えて、シアンに耐性な別のルートの存在も明かとなった。3)P.putidaのADHのX線構造解析は終了し、その構造の全体像が明らかになっており、完全なアミノ酸配列が解明されれば、最終的な構造が得られる。酢酸菌の膜結合型ADHは既に結晶化に成功し、その構造解析が部分的に行なわれた。
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