研究課題/領域番号 |
09044229
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井上 勲 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (80001973)
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研究分担者 |
BROWN Euan R プリムス海洋生物研究所, 高等研究員
BONE Quentin プリムス海洋生物研究所, 名誉教授
BOURNAUD Rol パリ大学, 生理学, 教授
筒井 泉雄 国立生理学研究所, 生体膜, 助手 (80202183)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 骨格筋 / 興奮収縮連関 / 膜電位センサー / DHP受容体 / 系統発生 / 無顎類 / 頭索類 |
研究概要 |
1. Bournaud博士らと骨格筋の信号伝達機構の研究を開始した。骨格筋興奮・収縮連関分子機構のみを遺伝的に欠いた突然変異マウス(Muscular Dysgenesis, MDG)を用い正常筋と比較する事で膜電位センサー信号の特定を試みた。その結果、MDG筋においてはDHP誘導体Nifedipineによって特異的に阻害されるコンポーネント(Q_δ)が欠如していることを見出した。 2. 膜電位センサー構造を抽出するために系統発生的進化の中で異なった進化の段階にある動物をGene Bankとして利用する方法があると考え、英国立海洋生物研究所のQ. Bone博士らと共同で研究を開始した。骨格筋型興奮・収縮連関獲得の分子進化は、動物系統発生樹における頭策類Amphioxus(ナメクジウオ)と次に位置する最も古い脊椎動物である無顎類Lamprey(ヤツメウナギ)の間で不連続的に起こったこと、その進化は確かにQ_δの出現を伴っていることを発見した。 3. 進化直前に位置する原索動物横紋筋には、その細胞内構造と機能に、進化に向けたさまざまな試行が認められる。特に、細胞内のカルシウムイオン制御機構に系統発生的進化が見られることが判明した。 4. マウス胎児骨格筋細胞、MDG筋細胞を用い、筋成長過程でDHP受容体が組み込まれる時間過程を調べた結果、骨格筋個体発生の初期段階では骨格筋型とは異なるプロトタイプのDHP受容体が発現され、成長とともに骨格筋型と置き換わっていく事を見出した。プロトタイプDHP受容体は横紋筋型に似た生理的薬理的特性を持つ事を見出した。 5. MDG筋を日本に持ち込み培養し、DHP受容体機能発現系を確保した。
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