研究課題/領域番号 |
09044244
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | (財)国際生態学センター |
研究代表者 |
宮脇 昭 財団法人国際生態学センター, 研究所, 研究所長 (40017710)
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研究分担者 |
中村 幸人 作新学院大学, 経営学部, 教授 (50198248)
佐々木 寧 埼玉大学, 工学部, 教授 (90162388)
伊藤 秀三 長崎大学, 環境科学部, 教授 (20039762)
村上 雄秀 財団法人国際生態学センター, 研究所, 主任研究員 (80261139)
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キーワード | 植物社会学 / 景観生態学 / 日中比較研究 / 群落体系 / 環境保全 / 照葉樹林帯 / 中国東部 / 西日本 |
研究概要 |
中国東部における植生調査成果:中国の天目山(浙江省)と黄山(安徽省)において、6月〜7月に第一次調査を、9月に第二次調査を実施した。天目山では58、黄山では81の計139の植生調査資料を得た。内訳は照葉樹林が18、夏緑樹林が27、低木林が20、草原が114である。これらの資料を基に日本の植物群落体系との比較を行った結果、以下の点が明らかとなった。日中の植物相は同じ日華区系に属するが、植生単位においても西日本と華東地域が極めて近い関係にある。草本植物群落(ススキクラス、タウコギクラスなど)は概ね同じ植生単位に属した。また木本植物群落は日本のヤブツバキクラスなどに対応した異なった植生単位に属すると推定された。すなわち、日中間の植生の分化は草原植生より森林植生で進んでいる可能性が高い。日本では花粉分析や大型植物遺体でのみ確認されている、絶滅植物を主体とした植生が華東地域に生育しているのが確認された。 中国東部における景観調査成果:総和群集法を用いた景観調査を天目山と黄山の18地点で行った。それらの解析の結果、以下の点が明らかとなった。丘陵を含む人里景観は日中間で極めて類似している。水田や耕作畑景観は日本と同じ植生単位および土地利用で区分される。華東地域では景観を構成する植物群落の多様性が高い。これは日本の農村における植生管理が集約的であるためと推測した。今後、リモートセンシングなどを用いて華東地域内での景観の地域的差異を明らかにし、その結果は保全計画の立案に用いる。 日本における植生調査成果:中国側共同研究者2名と11月8日〜17日、九州の長崎県などで自然植生を中心とした共同野外調査を行い、15植生調査資料を得た。11月16日には横浜国大での日本生態学会関東地区会例会において、日本側3名、中国側2名によってそれまでの研究成果に関する総括的発表を行なった。
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