研究課題/領域番号 |
09044248
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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研究分担者 |
GLOMSET J.A ワシントン大学, 医学部, 教授
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
大和田 祐二 東北大学, 医学部, 助手 (20292211)
阪上 洋行 東北大学, 医学部, 助手 (90261528)
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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キーワード | リピドキナーゼ / ジアシルグリセロールキナーゼ / PI3キナーゼ / 遺伝子クローニング / 脳内発現局在 / ゲノム解析 / 脂肪酸結合蛋白 |
研究概要 |
ジアシルグリセロール(DG)キナーゼについて、研究分担者W.J.van Blitterswijkと共同でラットとヒトの新分子種θ型を遺伝子クローニングにより固定して、脳内発現局在と活性特性を明らかにして別紙の如く欧文誌に発表した。また、DGキナーゼで生成されるフォスファチジン酸を代謝するCDP-DGシンターゼの分子構造を脊椎動物で初めて当研究室で独自に解明して欧文誌に発表した。分担者の後藤薫が同じく分担者のJ.A.Glomsetの研究室に3ヶ月滞在して、アラキドン酸特異DGキナーゼの抗体を作成して、免疫組織化学的解析をサル網膜と脳で行った。さらに、フォスフォリパーゼA1の遺伝子工学的解析を指導すると共に、膜リン脂質の質的・量的変化の解析実験法を習得した。昨年度までに我々が脊椎動物ではじめてのPl4キナーゼ2分子種の分子構造を発表したが、その所見をもとに、Pl3キナーゼのうちで肝臓にのみ発現して肝臓再生時に発現増強する新分子種を遺伝子クローニングにより同定して、その内容は欧文誌に印刷中である。研究分担者D.M.Huntを訪ねて、リピドキナ-分子多様性と発現調節の解析戦略を討論し、我々が解析発表したラットPl4-キナーゼのcDNAを用いて、ヒト相同分子をとりだし、そのゲノム解析を開始させた。目下radiation hybrid mappingを遂行中である。分担者L.C.CantleyにはラットPl4-キナーゼcDNAを提供して、かれらが独自で部分シークエンスを解析発表したヒト同類酵素と機能的異同を比較検討している。リピドキナーゼの機能的重要性のさらなる解析発展をめざして、脂肪酸結合蛋白の細胞内機能を研究しているF.Spenperから特異抗体を提供してもらい脳内分布を蛋白と遺伝子レベルで解析して、リピドキナーゼのとの異同を検討中である。さらに、副腎髄質細胞と脳神経細胞の発生・機能的関連性を追及しているG.D.Pappasを当研究室に招いて、研究成果の相互交換討論をおこなった。 分担者の野沢義則はオハイオとケースウエスタンリザ-ブ大学に出張して、リピドキナーゼの分子遺伝学的解析について彼我の研究所見を比較検討して、今後の新展開に役立てようとする。
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