研究課題/領域番号 |
09044252
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
三浦 直行 秋田大学, 医学部, 助教授 (40165965)
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研究分担者 |
RAUSCHER FRA ウイスター研究所, 分子腫瘍学, 助教授
吉田 進昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10250341)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | フォークヘッド遺伝子 / MFH-1遺伝子 / ノックアウトマウス / ウィルムス腫瘍 / 腎臓 / WT1遺伝子 / 標的遺伝子 / 階層的関係 |
研究概要 |
MFH-1遺伝子ノックアウトマウスの主な症状は心大血管系と骨格系におこっていた。心大血管系では大動脈弓離断と心室中隔欠損が、骨格系では脊椎骨や顔面頭蓋骨の欠損、変形が認められた。このことから、MFH-1遺伝子は大動脈血管の形成と骨格系の形成に必須の遺伝子であることが判明した。 MFH-1遺伝子が発現しているもう一つの臓器が腎臓である。MFH-1遺伝子ノックアウトマウスでは腎臓の大きさが小さく、腎盂に変形が認められた。しかし、糸球体の構造や尿細管の構造には大きな変化は観察されなかった。これは、BF-2,MF-1など他のファミリー遺伝子が腎臓でも発現しているので、それらにより機能代償されているためと思われる。 MFH-1遺伝子の標的遺伝子を検索する第一歩として、MFH-1が発現している培養細胞を抗MFH-1抗体を用いて検索した。ウイルムス腫瘍細胞、骨芽細胞、軟骨芽細胞、大動脈内皮細胞、大動脈平滑筋細胞の他、線維芽細胞にもMFH-1蛋白が検出できた。腎臓におけるMFH-1遺伝子の発現制御機構を明らかにするために、MFH-1遺伝子プロモーター及びその上流制御領域をレポーター遺伝子ルシフェラーゼに連結したコンストラクトをウイルムス腫瘍細胞に遺伝子導入したところ、上流3.0kbpまでを含んでいるコンストラクトでは転写活性が強く認められた。このことは、3.0kbp以内の領域に腎芽細胞でのMFH-1遺伝子の発現を正に調節しているエレメントがあることを示している。3.0kbp以内の領域に、WT1蛋白が結合する塩基配列が存在するかどうかを、ゲルシフトアッセイやWT1発現ベクターとの共遺伝子導入により実証しつつある。
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