研究課題/領域番号 |
09044254
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
太田 敏子 筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40233134)
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研究分担者 |
SMITA S Pate オハイオ州立大学, 生物科学科・生化学研究室, 助教授
TSONWIN Hai オハイオ州立大学, 神経生物工学センター, 助教授
倉園 久生 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90186487)
林 英生 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40033203)
竹安 邦夫 京都大学, 人間科学部, 教授 (40135695)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 黄色ブドウ球菌 / 熱ショックタンパク質 / ストレス応答 / 転写因子 / 調節エレメント |
研究概要 |
病原性細菌の外部環境変化(ストレス)を感知して細胞内へ伝え制御する因子を単離・精製し、DNAとの相互作用やその様式を原子間力顕微鏡(AFM)を利用して可視化する目的で研究を行った。その結果、次のようなことが明らかになった。 1.黄色ブドウ球菌の熱ショックタンパク質、HSP60とHSP70オペロンのレギュレーター(Hrc37)と調節エレメント(CIRCE)の結合についてAFMによりDNA結合部位を調べたところ、リコンビナントHrc37はHSP70オペロンではCIRCE部位に1カ所、HSP60オペロンではCIRCE部位とその相同部位2カ所に結合することが判った(投稿中)。さらに生理的条件下での結合能を検討するため、黄色ブドウ球菌からこのレギュレーターの精製を検討中である。 2.レギュレーター(Hrc37)のノックアウト株を作成したところ、HSP60とHSP70オペロンの転写産物およびHSPは熱に曝されなくても発現することが判った。しかし、この変異株は僅かではあるが、さらにその発現が増強することから活性化因子の存在が示唆された。(投稿中) 3.熱ショック後の菌体から得たライブラリーから、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーション法により各種の重金属に応答する遺伝子(czr)がクローニングされ、膜貫通型タンパク質を含む2つの遺伝子を含むオペロンを形成していることを明らかにした。(投稿準備中) 4.菌体内における染色体の立体構造を観察するため、できるだけ生の状態のDNAを菌から得る条件を検討した。転写因子によるループ形成と転写集結によるループ形成の構造をAFMでイメージすることを検討している。 5.新しい転写因子ATF4を精製し、その性質を生化学的に調べたところ、ATF4とCREBが相互作用してGadd153をコントロールする調節エレメントに結合することを明らかにした。(publish) 6.FOF1-ATPase, Na, K-ATPase及びHelicaseについて、AFMのイメージでもタンパク質のサブユニット間の相互作用を観察することが可能であることが判った。(国際学会発表)
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