研究課題/領域番号 |
09044255
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
五十嵐 和彦 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (00250738)
|
研究分担者 |
プーシエント ロジャー キングスカレッジ, ランドール研究所, 教授
エンゲル ダグラス ノースウェスタン大学, 生化学部門, 教授
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
|
キーワード | 血液細胞 / 赤血球 / 転写因子 / 細胞分化 |
研究概要 |
本研究は血液細胞の増殖分化を調節する転写因子の機能を解明することを目的とし、本年度は以下の成果を得た。 1. Bachlは血液細胞分化のごく初期から発現する転写因子である。また、赤白血病(MEL)細胞において小Maf因子はBachlとのヘテロ二量体としてDNAに結合する。 2. Bach2はB細胞において細胞系列および分化段階特異的に発現する。また、Bach2は小Maf因子とのヘテロ二量体として機能する。 3. BachlやBach2のBTB領域に特異的に結合するロイシンジッパー型新規蛋白質やBTBドメインを有する転写因子を発見した。 4. GATA-1遺伝子のプロモーター、およびGATA-2遺伝子プロモーターの解析から、各遺伝子の造血細胞特異的発現において重要なシスエレメントを同定した。 5.小Maf因子のうち、MafKおよびMafGの遺伝子破壊マウスの作出に成功した。 6. Bachlの遺伝子破壊マウスの作出に成功した。 本研究により、Bachファミリーの血液細胞分化において重要な役割を担うことが示唆された。その機能は小MafおよびBach遺伝子破壊マウスの形質を解析することにより明らかになるであろう。また、本年はGATA因子遺伝子群の上流の調節因子を探る準備を終了することができた。各エレメントに対する結合活性を同定することにより、造血発生過程において重要な役割を担う新しい転写因子を同定できると期待される。
|