研究分担者 |
高橋 健一郎 群馬大学, 医学部, 日本学術振興会特別研
LEBEAU Miche シカゴ大学, 血液学/腫瘍学部門, 準教授
BELL Greame シカゴ大学, ハワードヒューズ医学研究所, 教授
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (00212952)
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
BELL Graeme I. HOWARD HUGHES MEDICAL INSTITUTE,UNIVERSITY OF CHICAGO,PROFESSOR
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研究概要 |
ヒト正常膵ラ氏島およびインスリン産生腫瘍であるヒトインスリノーマのcDNAライブラリーから無作為に6,OOO個のクローンを選別し、両端から部分塩基配列(Expressed sequence tag,EST)を決定し、GenBankやDDBJなどの遺伝子データベ-に登録した。次いでRHマッピング法とFISH法により、染色体上にこれらをマップした。 常染色体優性遺伝で発症するタイプの若年糖尿病(MODY3)が連鎖解析によって12q24にマップされた。このMODY3領域をYAC,BAC/PACクローンによってカバーした連続地図を作成し、各DNA断片からエクソントラッピング法、cDNAセレクション法、直接シーケンス法により40個の遺伝子を検出し、ラ氏島ESTを利用して効率良く目的遺伝子を同定することを試みた。本研究で構築したESTプールに含まれた有力候補から順に遺伝子構造を決定し欧米MODY3家系について逐一患者遺伝子を解析した結果、転写因子hepatocyte nuclear factor-1α(HNF-1α)遺伝子において発症の原因となる7種類の異常を発見した。さらに、日本人の若年発症糖尿病者の解析において、7種類の遺伝子異常を見い出した。以上の結果から、膵ラ氏島ESTプールを構築してマップ領域から有力候補を選別する方法は「ポジショナルキャンデイデ-ト(候補)クローニング」として有効な戦略であることが示された。また、日米両グループの共同研究が効率良く行なわれたことも、1年という短期間に大きな成果を得ることができたことに大きく貢献した。
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