研究課題/領域番号 |
09044259
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
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研究分担者 |
KEITH Willia ペンシルバニア大学, 医学部, 助教授
柏木 敬子 千葉大学, 薬学部, 助手 (80169424)
柿沼 喜己 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
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キーワード | ポリアミン / スペルミン / NMDA受容体 / 結合部位 / 活性調節 / 部位突然変異 / アンタゴニスト |
研究概要 |
1.大腸菌のスペルミジン取り込み系の基質(スペルミジン)結合蛋白質(PotD)のスペルミジン結合には2分子のAsp、2分子のGlu、3分子のTyrが関与していることを、X線結晶構造解析およびsite-directed mutagenesis法により作製した変異PotD蛋白質の活性測定より証明した。NMDA受容体活性のポリアミンによる二面的な調節(脱分極時の促進及び過分極時の阻害)に関与するNMDA受容体の上のアミノ酸残基を、アフリカツメガエル卵母細胞膜上に発現させた変異NMDA受容体活性を測定することにより同定した。その結果、ポリアミンによる活性促進には、Glu185 (N末端から185番目のGlu)、Glu342、Trp608、Asn616、Tyr647、Aso669が関与し、活性阻害にはAsp198、Trp563、Asp616、Glu621、Asp669が関与していることが明らかとなった。以上の結果より、膜電位差によりスペルミンが移動することが示唆された。 2.ポリアミンのベンジル誘導体を合成し、NMDA受容体活性に対する効果を検討した。ベンジル誘導体は脱分極時に促進効果を示さなかったが、過分極時に強い阻害効果を示した。阻害効果の強さはトリベンジル>ジベンジル>ベンジルの順で、トリベンジルスペルミンは1μMでほぼ完全にNMDA受容体活性を阻害した。この阻害の強さは、先に報告したダンシルスペルミンとほぼ同程度であった。ベンジル誘導体をリ-ド化合物として、ポリアミン誘導体の医薬品としての開発を目指す。
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