研究課題/領域番号 |
09044259
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
|
研究分担者 |
WILLIAMS Kei ペンシルバニア大学, 医学部, 準教授
柏木 敬子 千葉大学, 薬学部, 助手 (80169424)
柿沼 喜己 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80134394)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | ポリアミン / スペルミン / NMDA受容体 / 結合部位 / 部位突然変異 / Mg^<2+> / アミノグリコシド / チャネルブロッカー |
研究概要 |
1. ポリアミン、特にスペルミンはNMDA受容体活性を脱分極時に促進し、過分極時に阻害(チャネルブロック)し、NMDA受容体の機能をより効果的にする。これまでに私達はポリアミン輸送系の基質結合蛋白質とのアミノ酸配列のホモロジー解析より、スペルミンによる活性促進にはNR1_AのGlu342、Trp608、Trp611、Asn616、Tyr647、Asp669が関与していることを報告してきたが、今回はN末端に存在するGlu181とGlu185が促進に関与していることを明らかにした。 2. NMDA受容体はNRlとNR2のへテロオリゴマーである。Mg^<2+>はポリアミンと同様にNMDA受容体に対して過分極時にチャネルブロック作用を有する。このMg^<2+>と相互作用するアミノ酸残基としてNR1_AとNR2BのN616が同定されていたが、更にNR2BのW607がMg^<2+>と相互作用をしているアミノ酸残基であることを明らかにした。 3. ストレプトマイシンを始めとするアミノグリコシド系抗生物質は難聴を引き起こすため、その使用が制限されている。本研究では、このアミノグリコシド系抗生物質がNMDA受容体上のポリアミン結合部位に結合し、NMDA受容体を活性化して蝸牛神経を破壊するために難聴が起こることを明らかにした。 4. ポリアミン誘導体を脳機能改善薬として開発するため、チャネルブロック作用のみを有する誘導体を探索した。その結果、ダンシルスペルミン及びトリベンジルスペルミジンが活性促進作用を持たず、チャネルブロック作用のみを有することを明らかにした。
|