研究課題/領域番号 |
09044264
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮島 篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
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研究分担者 |
NEAL Copelan 米国国立がん研究所, 主任研究員
NANCY Jenkin 米国国立がん研究所, 主任研究員
IRA Daar 米国国立がん研究所, 主任研究員
PETER Donova 米国国立がん研究所, 主任研究員
木下 大成 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40301113)
原 孝彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (80280949)
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キーワード | サイトカイン / サイトカイン受容体 / 造血 / オンコスタチンM / 発生 / 血管内皮 / セルトリ細胞 / 始原生殖細胞 |
研究概要 |
マウスのオンコスタチンM(OSM)機能と作用機序につき以下の結果を得た。 OSM受容体:マウスOSM受容体のcDNAをクローニングして、機能的なOSM受容体の再構成を行った。マウスOSMはOSM特異的なOSM受容体β鎖とgp130からなる受容体にのみ作用し、ヒトとは異りLIF受容体にはcrossしないことを示した。また、JenkinsとCopelandらとともにOSM受容体遺伝子座の決定を行った。現在、OSM受容体遺伝子のノックアウトマウスを当研究室にて作成中である。一方、OSM自身のノックアウトマウスの作成はDonovanらより進行中である。 すでに我々はOSMが造血発生の場として知られている胎生期のAGM(aorta/gonad/mesonephros)領域由来の細胞を培養するin vitro系にてOSMが血球産生と血管内皮細胞に共通の前駆細胞hemangioblastsに作用する可能性を示した。そこで、この培養系を用いて、血球産生に必須な転写因子c-myb,AML-1の作用を解析した。LIFは始原生殖細胞(PGC)の増殖を刺激することが知られていたが、LIF以外のPGC増殖因子の存在が示唆されていた。OSMはLIFに類似しているので、OSMの始原生殖細胞に対する作用を調べたところ、OSMは移動後のPGCのみ刺激した。これに一致して、OSMは発達中の生殖器に発現していた。また、新生仔testisのセルトリ細胞にOSMの発現がみられたが、その発現は成長とともに抑制された。一方、ovaryではOSMの発現が認められなかった。さらに、OSMは新生仔testis由来のセルトリ細胞の増殖を促進した。したがって、OSMはstageおよびsexにspecificなセルトリ細胞のautocrine増殖因子であることが示された。
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