研究課題/領域番号 |
09044265
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
善本 隆之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80202406)
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研究分担者 |
辻 守哉 ニューヨーク大学, 医学部, 助教授
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | マラリア感染 / 防御免疫 / ワクチン / IFN-γ / IL-12 / NO / 病態形成 / 組み換えウイルス |
研究概要 |
我々は、赤内型強毒株P.berghei NK65とその弱毒株XATを用い、マラリア感染におけるIL-12の役割について解析した。弱毒株感染赤血球をマウスに投与すると、Parasitemiaの上昇後2-3週間で原虫は血中より除去される。この時、脾臓においてIFN-γ産生を介したIL-12発現誘導が感染防御に重要であることが明らかになった。一方、強毒株感染赤血球をマウスに投与すると、Parasitemiaは上昇し続け強い貧血になり2-3週間で死亡する。この時、弱毒株の時と同様に脾臓および肝臓においてIL-12発現やIL-12に依存的なlFN-γ産生が誘導されるが、この場合、むしろ病態形成に関与するというIFN-γ産生を介したIL-12の二面性が明らかになった。さらに弱毒株P.bergheiXAT感染におけるIL-12およびIFN-γの下流に位置する感染防御のエフェクター機構として、NK細胞とNOの関与について検討したところ、いずれもその活性や産生量は強毒株感染に比べ弱毒株感染で有意に高く感染防御との正の相関性が得られたが、抗NKl.1抗体やiNOSやCD4ノックアウトマウスを用いた解析よりこれらの感染防御への関与は低く、CD4^+T細胞から産生されるIFN-γを介した他の機構の重要性が明らかになった。この機構として感染初期と後期のそれぞれに働く二つの機構を考えている。前期は、非特異的防御機構、後期は抗体を介した食細胞の貪食やADCCによる機構を考え現在検討中である。一方、肝臓型マラリア感染に対するワクチン開発を目的に、P.yoeliiおよびP.falciparumのCS蛋白を有する種々の組み換えウイルスを作製し、マウスに免疫し誘導されるCS蛋白に特異的CD8^+T細胞数を測定しその防御免疫誘導能を比較したところ、アデノウイルス単独投与およびインフルエンザウイルス投与の後ワクシニアウイルスでブーストをかける方法により防御免疫がより強く誘導されることが示され、これらがマラリアワクチンの増強法として有効であることが明らかになった。
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