研究概要 |
共同研究者ワイズマン博士によるdifferential display法(Analysis of differential gene expression by display of 3'end restriction fragments of cDNAs. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93,659-663,1996)をHep3B細胞を低酸素圧で培養したときに誘導される遺伝子の同定に応用した。4個の遺伝子を同定したが、なお偽陽性の率が高かったので、cDNA合成法、プライマーの設計、displayの方法などを検討した。その結果、two bases anchorの代わりにone base anchor法でcDNAを合成し、12種類から3種類のcDNAに単純化すると共にanchor部でのcDNAのミスマッチが少なくなった。displayの方法はABIのシーケンサーを使用して、蛍光ラベルしたdifferential displayにより、特異的に発現している遺伝子を同定した。これにより放射線ラベルしたそれよりも分離能が飛躍的に向上した。この方法をヒト成人大脳に比較して胎児大脳に特異的に発現している遺伝子の同定に応用し、2百〜クローンぐらい同定した。現在29種類の6塩基認識制限酵素で調製したcDNAの3'末端断片をABIのシーケンサーでdisplayし、特異的な遺伝子の同定を進めている。
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