研究概要 |
1)mRNA differential display of protein tyrosine kinase profile法の開発 protein tyrosine kinaseの保存された活性ドメインを利用することにより、ヒト胎児大脳と成人のそれに発現しているprotein tyrosine kinaseのdisplay法を開発した。現在までに各バンドのDNAシーケンスの解析を終えたが、60%位がprotein tyrosine kinaseであることが同定された。janus kinase、epidermal growth factor receptor,Eph,Eph-like receptor tyrosine kinaseなど47種のkinaseであった。既知のkinase以外の遺伝子は10〜15%で、残りは未知の遺伝子であった。このように未知の遺伝子が多いのはジーンバンクに登録されているDNAシーケンスはmRNAの3'末端部ESTが大部分を占めているためであると考えられる。 2)ヒト胎児大脳の発生初期樹状突起に一過性に発現するA31mRNAについて ヒト胎児大脳に特異的に発現する未知の遺伝子、A31をmRNA differential display法により得、RT-PCRおよびNorthern blottingにより確認した。in situ hybridizationによりA31は神経細胞の細胞体および樹状突起に発現していた。以上ヒト大脳の胎生中期おける樹状突起の発生に関係していることが示唆された。
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