研究課題/領域番号 |
09044276
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
木村 郁子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (70019131)
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研究分担者 |
HAGINO Nobuy テキサス大学, サンアントニオ・健康科学センター, 教授
恒枝 宏史 パスツール研究所, 神経分子生物学, 客員研究員
CHANGEUX J.ー パスツール研究所, 神経分子生物学, 教授
出崎 克也 学術振興会, 特別研究員
野島 浩史 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (50208344)
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キーワード | Ca^<2+> / β2ノックアウトマウス / アセチルコリン受容体チャネル電流 / RAMIC / 脱感作 / 神経型ニコチン性アセチルコリン受容体 / α-bungarotoxin / methyllycaconitine |
研究概要 |
骨格筋のシナプス後部、即ち終板部位に、神経型の(N-)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)が共存し、Receptor Activity-Modulating Intracellular Ca^<2+>(RAMIC)を介した脱感作機構が作動して、筋型の(M-)nAChR活性をコントロールしていることを、本研究代表者のグループが発見した。次段階として、N-nAChRのサブタイプを構成しているサブユニットを推察し、決定する必要がある。そこで、本研究ではその方法論の一つとして、ノックアウトマウスを用いて、反応性の差異を検討する必要が出てきた。パスツール研究所のChangeux教授のグループはN-nAChRのサブユニットの一つであるβ2のノックアウトマウスを作成・保持しているので、野島浩史及び恒枝宏史をパスツール研究所へ派遣したところ、Changeux教授の指導下に、そのノックアウトマウスでは電気生理学的にM-nAChRのチャネル電流の脱感作がなくなることを発見した。RAMICの測定は目下、実験途中である。一方、木村郁子と出崎克也は富山医薬大で、agonistの局所投与や灌流法によるRAMIC測定を可能にした。そのため、従来、神経筋標本を用いて、cholinesterase阻害剤存在下、神経刺激によって遊離されるAChによってのみ観察してきたRAMIC現象を、N-nAChRに固有な種々のagonistの作用にまで拡張して見ることが可能になった。その結果、agonistの濃度-Ca^<2+>反応曲線やantagonistの濃度-Ca^<2+>反応抑制曲線の体系的比較ができ、RAMICがα-bungarotoxin,methyllycaconitine-sensitiveであること、即ち、α7様の特性を持つことなどを明らかにできた。荻野信義教授、木村正康名誉教授はアメリカのテキサス大学サンアントニオ校や、ワシントンDCで開催されたnAChRの国際学会で、Changeux教授と共に現地参加し、以上の結果を討議した。
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