研究分担者 |
桐原 正之 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (40262539)
高橋 たみ子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10115181)
柴田 哲男 富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (40293302)
米谷 正 富山工業高等専門学校, 物質工学, 教授 (60042842)
佐藤 利夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70075943)
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研究概要 |
当初の研究計画に基づき,国際間のものとしては.竹内義雄,高橋たみ子および劉兆鵬3氏の,ドイツW.-W.大学のHaufe教授の許への派遣,佐藤利夫教授のNIHのKirk博士の許への派遣,Kirk博士の研究代表者および分担者の佐藤氏の許への派遣を予定通りに実施した.また,セントラリア大学のLodwig教授のHaufe教授の許への派遣を達成した.他方,国内派遣も予定通りに実施して,資料収集,情報交換,研究打合わせを行った. これらの派遣を通じて以下の研究成果を達成した.研究代表者の竹内は,含フッ素有機化合物を利用する副互変異性体相似体の新概念の提唱とその化学合成を達成した.また,各分担者との連絡ならびに共同研究全体の総括に担った.Kirk博士は,含フッ素アドレナリン系化合物の生体研究モデルを発案し,これの合成と生物活性実験を行って,当初の生体機能を解明した.Haufe教授はβ-フルオロアミノ酸合成の新たな方法の開発に成功した.更には酵素分割による含フッ素化合物の光学活性体合成を達成し,高橋たみ子が行っているキラル誘導化試薬による純度決定を行った.佐藤利夫教授はウレアーゼ阻害活性に関して新たな分子モデルを提唱し,研究代表者ならびにKirk博士との共同研究体制への道を拓いた.米谷正教授は,生体触媒を用いる含フッ素不斉合成素子の合成研究で多くの成果を挙げ,その応用としてキラル誘導化試薬の光学分割を達成した.柴田哲男博士は,α-フルオログリシン含有ジペプチドの合成研究,不斉フッ素化剤CMIT-Fの合成,副互変異性体介在仮説とアミノ酸互変異性等価体の合成などを達成し,多くの研究成果を残した.高橋たみ子博士は,既に開発した新キラル誘導化試薬CFTAを用いる絶対構造決定法への応用に成功した.桐原正之博士はインジウムを用いたアルデヒドのgem-ジフロロアリル化反応を開発し,多くの有用な含フッ素化合物合成に新たな道を拓いた.また,Lodwig教授は,標識化したアミノ酸合成を達成し,含フッ素アミノ酸合成を行っている代表者ならびにHaufe教授の研究に貢献した. 上記した国際間および国内間の共同研究の実践を通じて,研究発表.研究報告,資料収集および情報交換を相互に行い,それに基づいて新たに行うべき研究内容の吟味と協力体制の見直しなどに関して綿密な打合わせを遂行した.当該年度だけでも,国際会議で10件以上,国内学会等では50件以上の発表を行うことで本研究の成果を一般に公表しており,発表した論文数は20報を越える.
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