研究課題/領域番号 |
09044287
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, 分子神経生物研究センター, 教授 (20213142)
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研究分担者 |
CHONCE Brtto ペンシルヴァニア大学, 医学部, 名誉教授
YONETANI Tak ペンシルヴァニア大学, 医学部, 教授
椎野 顕彦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50215935)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 分子神経生物研究センター, 助教授 (60220042)
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キーワード | 近赤外分光光度計 / MRI / NIR画像 / MR造影効果 / 脳梗塞モデル / 酸素動機 / 代謝計測 / 酸素運搬 |
研究概要 |
本研究計画の最終年度として、近赤外(NIR)分光光度計の試作を行い、動物モデルを用いて脳内酸素代謝動態を計測した。 1. 動物モデルを用いた核磁気共鳴法による脳内代謝物質の高速検出 2テスラ動物実験用MRシステムを用いて、高速MR画像撮像法であるエコー・プラナー(EPI)法の機能を独自に開発した^1H-間接検出^<13>C MR信号計測法に付加した。これにより^<13>CMR信号検出時間の大幅な短縮が達成できた。従来、^1H核を利用した^<13>CMR信号の高感度検出を開発し、脳代謝計測に利用してきたが、その計測に1時間を越える測定時間を要したラット脳内の1-^<13>C-グルコースならびにその代謝産物、3,4-^<13>C-グルタミン酸の^<13>C MR標識画像が30分以内で高いS/Nで得られる様になった。この結果、脳梗塞などにおける代謝過程の変化が追跡できるようになった。 2. 近赤外分光法による脳内酸素動態の評価 米国ペンシルバニア大学、チャンス教授等が開発した近赤外画像用分光光度計を活用して、その小児頭部用信号検出器に適合するラット頭部用アダプターを光ファイバーを用いて作成した。酸素化型ヘモグロビン、750nm及び非酸素化型ヘモグロビン、830nmの13個の独立した検出器による吸収強度計測から、虚血時におけるラット頭頂部における脳内酸素動態、及び、血液容量の変化が約30秒で計測でき、これらの画像が得られた。 3. 一酸化窒素配位ヘモグロビン分子の酸素運搬能とMRにおける造影効果 ヘモグロビンのα-鎖にのみ一酸化窒素(NO)が配位したへモグロビンの分子構造を詳細に解析し、それがデオキシ型ヘモグロビンのT構造であることを明らかにした。これにより、本ヘモグロビンは生体内の末梢組織への有効な酸素運搬体であることが示唆された。また、このヘモグロビンMR画像における造影剤として、その結果、効果は小さいが、造影剤として利用できる可能性が示唆された。
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