• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

脊椎動物の神経分化を制御するHLH型因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09044291
研究機関京都大学

研究代表者

影山 龍一郎  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)

研究分担者 石橋 誠  京都大学, 医学研究科, 助手 (30232341)
FRANCOIS Gui  国立科学研究センター, 室長
キーワードへリックス・ループ・ヘリックス / Notch / Hes / Math / ノックアウトマウス / レトロウイルス
研究概要

脊椎動物の神経系では比較的均一な神経前駆細胞から極めて多種類のニューロンが分化していくが、この過程には膜蛋白Notchを介した分化抑制が重要な役割を担っている。ショウジョウバエの知見から、脊稚動物のNotchによる分化抑制にヘリックス・ループ・ヘリックス(HLH)型の分化抑制因子Hesの関与が示唆されているが詳細は不明である。Notchによる分化抑制の細胞内分子機構を明らかにするために、まずNotchによってHes遺伝子群の発現が制御されているかどうかをしらべた。Hes1,Hes2,Hes3,Hes5のプロモーターにルシフェラーゼ遺伝子をつないだレポーターと活性型Notchの発現ベクターを共発現させたところ、Hes1とHes5の遺伝子発現のみがNotchによって誘導されることがわかった。また、Notchによって内在性のHes1とHes5の発現も増加した。したがって、Notch-Hes1/Hes5経路の存在が明らかとなった。
次に、Notchによる分化抑制にHes1やHes5が必要かどうかをしらべた。レトロウイルスをもちいて活性型Notchを発現させたところ、野生型マウスの場合と同様、Hes1欠損マウスやHes5欠損マウス由来の細胞に対しても分化抑制を引さ起こした。したがって、Hes1あるいはHes5のどちらかが欠損してもNotchは分化を抑制できることが示され、Hes1とHes5はお互いに補いあっている可能性が考えられた。
一方、神経分化を決定・促進すると予想されるHLH型因子Math3の欠損マウスを作製したところ、神経系に異常がみられた。したがって、脊椎動物の神経発生はNotch-Hes1/Hes5のような抑制因子とMath3のような決定・促進因子によって制御されていることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takebayashi, K.et al.: "Conversion of ectoderm into a neural fate by ATH-3,a vertebrate basic helix-loop-helix gene homologous to Drosophila proneural gene atonal." EMBO J.16. 384-395 (1997)

  • [文献書誌] Matsue, M.et al.: "Helix-loop-helix-type transcription factor(HES-1)is expressed in osteoblastic cells, suppressed by 1,25(OH)_2 vitamin D_3,and modulates 1,25(OH)_2 vitamin D_3 enhancement of osteopontin gene expresion." Bone. 20. 329-334 (1997)

  • [文献書誌] Kageyama, R.et al.: "Helix-loop-helix factors in growth and differentiation of the nervous system." Curr.Opin.Genet.Dev.7. 659-665 (1997)

  • [文献書誌] Kageyama, R.et al.: "bHLH transcription factors and mammalian neuronal differentiation." Int.J.Biochem.Cell Biol.(発表予定). (1998)

  • [文献書誌] Tsuda, H.et.al.: "Structure and promoter analysis of Math3 gene,a mouse homolog of Drosophila proneural gene atonal:neural-specific expression by dual promoter elements." J.Biol.Chem.(発表予定). (1998)

  • [文献書誌] Nishimura, M.et.al: "Structure,chromosomal locus and promoter of mouse Hes2 gene,a homologue of Drosophila hairy and Enhancer of split" Genomics. (発表予定). (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi