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1998 年度 実績報告書

Bリンパ球の細胞死および増殖の制御におけるCDKインヒビターの機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09044292
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

鍔田 武志  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)

研究分担者 RETH Michael  マックス, プランク研究所, 教授
RAJEWSKY Kla  ケルン大学, 遺伝研, 教授
HOWARD Maure  DNAX研究所, 部長
饗場 祐一  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00273516)
安達 貴弘  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (50222625)
キーワードBリンパ球 / CDKインヒビター / CDK / 細胞周期 / 細胞死 / c-Myc / 抗原受容体 / 誘導的発現
研究概要

B細胞株WEHI-231では、抗原受容体(BCR)架橋による細胞死の際にCDKインヒビターの発現上昇がおこる。CDKインヒビターが細胞死誘導に関与するかを明かにする目的で、誘導的発現系を用いてWEHI-231にCDKインヒビターの発現を誘導したところ、WEHI-231は細胞死をおこした。この結果は、CDKインヒビターがBCR架橋によるB細胞の細胞死に関与することを示唆する。線維芽細胞などの細胞周期停止を伴う細胞死にはc-Mycの関与が示唆されるが、c-Myc発現プラスミドを導入したWEHI-231ではBCR架橋による細胞死に耐性になることが報告され、B細胞ではc-MycがBCR架橋による細胞死に阻害的に働くと考えられてきた。しかし、我々は、誘導的にc-Mycを発現する系を樹立し、c-Myc発現のみでWEHI-231が細胞死をおこすことから、以前の結果は、アポトーシス耐性株を選択したためのアーチファクトであることを明かにし、さらに、c-MycがBCR架橋による細胞死を増強することを示した。この結果もまた、CDKインヒビターによる細胞周期停止がB細胞の細胞死に関与することを支持する。さらに、BCR架橋によるB細胞の細胞死は抗CD40抗体や抗CD72抗体処理で阻害されるが、細胞死が阻害される場合にはCDKインヒビターの発現は低下する。我々は、CD72がチロシンキナーゼLynによりリン酸化され、フォスファターゼSHP-1と会合して、BCRを会するシグナル伝達を負に制御することを明かにした。また、遺伝子欠損ニワトリB細胞株を用いて、BCR刺激による細胞死誘導の際にc-mycの転写誘導がおこり、これがLynにより抑制されることを明かにした。以上の結果から、LynがCD72などを介してc-Myc,CDKインヒビターを負に制御し、細胞死の阻害がおこると示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Adachi,T.: "The B cell surface protein CD72 recruits the tyrosine phosphatase SHP-1 upon tyrosine phosphorylation." J.Immunol.160・10. 4662-4665 (1998)

  • [文献書誌] Watanabe N.: "Antigen receptor cross-linking by anti-immunoglobulin antibodies coupled to cell surface membrance induces rapid apoptosis of normal spleen B cells." Scand.J.Immunol.47・6. 541-547 (1998)

  • [文献書誌] Hagiyama,H.: "Signaling through the antigen receptor of B lymphocytes activates a pathway independent of p53-mediated transactivation for c-Myc-induced apoptosis." Oncogene.(in press).

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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