研究課題/領域番号 |
09044294
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究分担者 |
ブルーム エダ T. 米国食品医薬品管理局, リサーチセンター・細胞遺伝子治療部門・細胞免疫学研究室, 室長
山内 清明 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291427)
稲本 俊 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10135577)
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キーワード | インターロイキン12 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / HVJ-liposome法 / HVJ-cationic liposome法 / 肝癌 / インターロイキン2 / 肝類洞内リンパ球 |
研究概要 |
FDAのエダ T.ブルーム博士の協力のもと米国Genetics Institute社よりIL-12 cDNA断片(p40,P35)の供与を受け、発現ベクターpCAGGSに挿入し、pCAGp40及びpCAGp35の作製を計画した。これらをlipofection法を用いてヒト肝癌細胞株Hep3Bにtransfectし、蛋白発現をWestern blotingとELISAを用いて現在検討中である。予備実験としてβ-galactosidase遺伝子を挿入したアデノウイルスベクターを尾静脈投与(2.5x10^9pfu)することにより80%以上の肝細胞に導入が可能であったが、細胞特異性を認めなかった。経門脈的投与では、同様の遺伝子導入効率を認めたが、門脈周囲に好中球浸潤を認めた。HVJ-liposome法により作成したベクターは、肝実質内投与では30%、経門脈投与では10%の肝細胞に遺伝子導入が可能であった。また、HVJ-cationicliposome法では、その陽電荷により特異的に非実質細胞に対する導入が可能となった。一方、IL-12の効果判定のモデルとして、ヒト原発性肝癌を想定して、ラット肝硬変を作成し、肝臓被膜下に同系肝癌細胞AH66Fを移植した。IL-12を腹腔に投与すると対照群では7週間後の腫瘍重量は2.2gであったが、IL-12投与群では0.7gであった。しかしIL-12は肝障害を誘発する危険性があるため、IL-12の投与量を減量するべく、IL-12とIL-2の協調作用を検討した所、生体肝移植ドナー移植片より採取した肝類洞内リンパ球はIL-2の存在下で少量のIL-12で細胞障害活性の増強が可能であった。このことからIL-12遺伝子の導入効率は高くなくても、複数回投与可能なHVJ-1iposome法が使用可能であることが示唆された。また、IL-18の併用は今後の検討課題とした。
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