研究課題/領域番号 |
09044306
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金田 安史 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (10177537)
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研究分担者 |
三谷 幸之介 カリフォルニア大学, ロサンゼルス校・医学部, 助教授
CURIEL David アラバマ大学, 癌研究所, 所長
SALEH Mansoo アラバマ大学, 癌研究所, 副部長
HOON Dave ジョンウェイン癌研究所, 分子細胞免疫学, 部長
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キーワード | 癌抗原 / 遺伝子導入 / 遺伝子ワクチン / 遺伝子治療 / HVJ-リポソーム |
研究概要 |
Boonらによって単離された腫瘍抗原ペプチドMAGE-1(melanoma antigen gene 1)はHLA-A1上のペプチドEADPTGHSYをコードしておりこれが腫瘍細胞障害性T細胞により認識される。しかしフーン博士のもとでMAGE-1のexon3を発現させたメラノーマ細胞をワクチンとしてメラノーマ患者に接種したところHLA-A2の患者においてもMAGE蛋白に対する免疫反応がHLA-A1患者における以上に惹起された。このことは抗腫瘍ペプチドはHLA-A1拘束性の上記のもの以外にもより効果的なペプチドが存在する可能性を示唆している。そこでより有効な癌遺伝子ワクチンの開発のために、MAGE-1,MAGE-3遺伝子導入マウスにおける抗腫瘍効果の基礎的検討を行った。導入法としては我々が開発したHVJ-liposome法を用い、マウス骨格筋に遺伝子を導入した。HVJ-liposome法はベクターなしのnaked DNA注入と比べ骨格筋での導入遺伝子の発現開始時期がはるかに早くその発現量も高かった。MAGE-1のexon3或いはMAGE-3のcDNA全長を発現ベクターに組込みHVJ-liposome法によりマウス骨格筋に注入すると全例においてMAGE-1,MAGE-3に対する抗体が産生され、それぞれの抗体は相互に交差反応をおこした。抗体産生は1年後の再注入によってブ-スター効果を認めた。抗原性の増強のためジフテリア毒素のBフラグメントの16残基をMAGE-1のexon3に付加した融合遺伝子の注入によってわずかながらの抗体産生増強を認めた。現在pg100,TRP2の遺伝子をHVJ-liposome法を用いて同様に発現させ、これらの抗原が由来するマウスメラノーマ細胞B16を用いた癌遺伝子ワクチンによる腫瘍予防効果、治療効果を検討している。
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