研究課題
代表者らはナトリウムイオンと共役するシンポータ、ナトリウムイオン、プロトンおよびアニオンと共役するアンチポ-タ、プロトン排出や薬物排出を行うATP駆動型トランスポータについて解析した。ウィルソン教授、コニングス教授のグループもそれぞれ興味深い輸送系について研究を進めた。本研究では、これらのグループが共同して、一件多様に見える各種能動輸送系の根底に存在する基本的分子構造と輸送の分子機構や、各系の特徴を決める構造的特性を明らかにすることを目指している。能動輸送系の構造、機能、輸送の分子機構に関する統一性と多様性を解析するためには、できるだけ多くの能動輸送系について解析する必要がある。幸い、代表者および分担者はこれらまでに多数の輸送系を発見し、解析してきた。9年度は、以下の点を中心に解析を行った。1) イオンと共役する能動輸送系のうち、代表者のグループはカチオンと基質のシンポート系について解析した。すでに代表者らの研究室ではいくつかの細菌のカチオン/メリビオースシンポート系についてかなり詳細な解析を行っている。カチオンと共役する輸送系の構造上および輸送メカニズム上の共通性(統一性)と多様性を明らかにすることが主目的の一つなので、カチオン/メリビオースシンポート系、他のカチオン/基質シンポート系について特に構造面からの解析を中心に進めた。2) それらの輸送タンパク質を精製し、生化学的性質を詳細に解析した。3) これまでに解析してきた輸送系について、コンピューターによるホモロジー解析やモチーフ解析を通じ、イオン共役あるいは基質認識に関与する領域あるいはアミノ酸残基を明らかにしつつある。
すべて その他
すべて 文献書誌 (8件)