ポリトピック型膜蛋白質、バンド3蛋白質、の構造解析

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09044319
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 濱崎 直孝 九州大学, 医学部, 教授 (00091265)
• 研究分担者: HARASAKI Hir クリーブランドクリニック, 医用工学, 教授 ; BLOOMBERG Gr ブリストル大学, 医学部, 主任研究員 ; TANNER Micha ブリストル大学, 医学部, 教授 ; 大久保 研之 九州大学, 医学部, 助手 (40194097) ; 康 東天 九州大学, 医学部, 助教授 (80214716)
• キーワード: ポリトピック型膜蛋白質 / バンド3蛋白質 / 膜蛋白質構造解析 / ペプチド構造

研究概要

本研究は膜蛋白質の構造と機能協関の研究を通して、膜蛋白質作用の分子機序を明らかにし、生命現象理解の一助にすべく、Michael JA Tanner教授(ブリストル大学・連合王国)グループとHiroaki Harasaki教授(クリーブランドクリニック・アメリカ合衆国)グループと国際的な学術協力研究を行っている。今年度はTanner教授グループから二人の主任研究員が来学し、それぞれ二週間滞在して典型的なポリトピック型膜蛋白質であるバンド3蛋白質の膜内構造解析に関する研究を共同で行い、成果の蓄積ができた。また、Harasaki教授も来学しバンド3蛋白質の機能を人工赤血球へ応用できないかについて討論をし、来年度へ向けての共同研究への具体的な打ち合わせを行った。
我々の研究室からもHarasaki教授の下へ赴きクリーブランドクリニックでしかできない研究を行ってきた。
これら共同研究の結果、バンド3蛋白質分子内Tyr390〜Leu460部分は、上記いずれの方法でもカテゴリー2に属する最も典型的なペプチド領域と考えられた。この他に、Pro563〜Phe584およびTrp723〜Lys743がカテゴリー2に属するペプチド領域であることが証明された。また、Met833からカルボキシ末端(Val911)までは非常に特殊な構造を膜内でとっている可能性が示唆された。

研究成果

• [文献書誌] Hamasaki, N.: "Proteolytic Cleavage Sites of Band 3 Protein in Alkali-Treated Membranes : Fidelity of Hydropathy Prediction for Band3 Protein." J.Biochem.122(3). 577-585 (1997)
• [文献書誌] Kamura, T.: "Characterization of the Human Thrombopoietin Gene Promoter." J.Biol.Chem.272(17). 11361-11368 (1997)
• [文献書誌] Muta, T.: "p32 Protein,a Splicing Factor 2-associated Protein,is Localized in Mitochondrial Matrix and is Functionally Important in Maintainng" J.Biol.Chem.272(39). 24363-24370 (1997)
• [文献書誌] Suehara, N.: "Telomerase Activity in Pancreatic Juice Differentiates Ductal Carcinoma from Adenoma and Pancreatitis" Clin.Cancer Res.3. 2479-2483 (1997)
• [文献書誌] Yamaoka, K.: "Activation of STAT5 by Lipopolysaccharide through Granulocyte-Macrophage colony-Stimulating Factor Production in Human Monocytes." J.Immunol.160. 838-845 (1998)
• [文献書誌] Hamasaki, N.: "Membrane Proteins : Structure,Function and Expression Control" Kyushu University Press/S.Karger AG, 413 (1997)
• [文献書誌] 三輪 史朗(編): "赤血球" 医学書院(印刷中), (1997)