研究分担者 |
HAKVOORT The アムステルダム大学, 医学センター, 助教授
LAMERS Woute アムステルダム大学, 医学センター, 教授
後藤 知己 熊本大学, 医学部, 助手 (20264286)
寺田 和豊 熊本大学, 医学部, 助手 (00253724)
滝口 正樹 熊本大学, 医学部, 助教授 (40179578)
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研究概要 |
細胞の分化や神経細胞の可塑的変化など,細胞の中長期におよぶ変化においては,多数の遺伝子の誘導あるいは抑制を惹起する遺伝子発現プログラムの再編成が起こる。この再編成過程に参画する転写調節因子の多くはそれ自身の遺伝子の発現の変動を伴い,その標的遺伝子とともに多段階性の遺伝子支配関連を形成すると考えられる。この階層性遺伝子制御の構成およびその再編成に対する理解は,細胞分化および可塑性の機構の本質的洞察にとって必須である。今回,肝細胞分化,微量生理活性物質,神経可塑性を専門とする海外研究室との共同研究により,肝細胞の分化および神経の可塑的変化時における階層性遺伝子支配の制御機構の解析を目的として,以下の検討を行った。まず,従来解析の困難であった極微量のRNAを出発材料として,多数のmRNAの発現レベルを測定すると共に,サブトラクション法等への適用により発現レベルの変動する遺伝子を系統的にクローン化しうる微量mRNA増幅法を考案した。さらに,予備実験として,初代培養肝細胞をグルカゴン,グルココルチコイド等のホルモンにより処理後調製したmRNAを増幅し,マーカー遺伝子の誘導の検出,サブトラクションクローニングが可能であることを確認した。続いて,ラット海馬スライスCA1領域における長期増強および長期抑圧時に変動するmRNAのサブトラクションクローニングを行い,幾つかの候補遺伝子を得た。また,既知遺伝子mRNAレベルの変動を測定することに成功した。
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