研究課題/領域番号 |
09044330
|
研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
鬼頭 昭三 昭和女子大学, 女性文化研究所, 教授 (00010140)
|
研究分担者 |
BIGGIO G. University of Caliari Department of Expe, 教授
BARNARD E.A Royal Free Hospital School of Medicine, 教授
OLSEN R W UCLA School of Medicine, 教授
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
|
キーワード | estrogen / IGF・1〜RNA / 海馬 / 大脳皮質 / GAP43〜RNA / カイニン酸 / AP-1結合活性 / Ca拮抗薬 |
研究概要 |
ラットにestrogenを全身投与することにより、海馬、大脳皮質などでIGF-1mRNAの発現が誘導されることを我々がすでに確認しているので、それに引き続くprocessとして、GAP43mRNAの発現が誘導されるか否かについて、in situ hybridizationにより検討した。その結果、これらの部位で、そのmRNAの発現を見ることを確認した。 estrogenが辺縁系神経細胞内Caイオン濃度を上げ、海馬にc-fos mRNAの発現を誘導することから、カイニン酸、estrogenの各々の単独投与および両者の同時投与の場合について、海馬、大脳皮質でのAP-1結合活性の時間的経過をgel shift assayにより検討した。カイニン酸単独では、90分にpeakをもつ結合活性の上昇が見られ、その上昇は著名であった。estrogen単独では、120分に至るまで、漸増的上昇が見られ、その上昇は海馬で顕著であった。同時投与では、60分にpeakを持つ上昇を示し、海馬で著明であった。全体として、AP-1結合活性の上昇はむしろ、同時投与によって抑制された。この結果から、カイニン酸による神経細胞傷害に対し、estrogenが拮抗的に働くためであろうと考えられる。 estrogenが海馬、大脳皮質で、IGF-1mRNAの発現を誘導するためには細胞内Caイオン濃度の上昇がessentialであるか否かを検討した。この点は、最近注目されているestrogenの細胞膜上の特異的結合部位の存在との関係からも重要である。estrogen投与に先立ってジヒドロピリジン系Ca拮抗薬を投与することにより、IGF-1mRNA発現の誘導はブロックされた。
|