研究課題/領域番号 |
09044344
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
倉根 一郎 近畿大学, 医学部, 教授 (90278656)
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研究分担者 |
ENNIS Franci マサチューセッツ大学, 医学部, 教授
高崎 智彦 近畿大学, 医学部, 講師 (20221351)
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キーワード | 日本脳炎ウイルス / デンフウウルス / キラーT細胞 / エピトープ |
研究概要 |
Balb/cマウスを日本脳炎ウイルス(JEV)により免疫し、ウイルス特異的キラーT細胞を解析した。JEV免疫マウスの脾細胞をJEVで一週間刺激することによりエンベロープ(E)蛋白特異的キラーT細胞が誘導された。さらに、PrMとE蛋白遺伝子を含むプラスミド(DNAワクチン)をマウスに免疫することによりE蛋白に対するJEV特異的キラーT細胞が誘導された。以上の結果よりJEVのE蛋白はキラーT細胞に認識されるエピトープを有することが確認された。E蛋白を発現する細胞を溶解する細胞を同定した。この細胞はCD8陽性、CD4陰性のT細胞であった。MHC拘束性をH-2K^d、H-2L^d、H-2D^dをトランスフェクトしたL929細胞で検討した結果、E蛋白上のエピトープはH-2K^d拘束性であることが判明した。次にJEVE蛋白上においてH-2K^d、H-2L^d、H-2D^d拘束性のキラーT細胞エピトープのモチーフを有する9アミノ酸からなる24種類のペプチドを作製した。日本脳炎ウイルスで免疫したマウス脾細胞をJEVで一週間刺激した細胞をエフェクターとして、24種類のペプチドの認識をキラーT細胞アッセイによって検討するとCYHASVTDL(282-290番)のアミノ酸配列をもつH-2K^d拘束性ペプチドK-3と他に3つのH-2D^d拘束性ペプチドを含むペプチド群Eを認識した。さらに、このペプチド群EでBalb/cマウスを免疫することにより、ペプチド群Eを認識するキラーT細胞誘導された。他のペプチドのの免疫によってはそのペプチド自身を認識するT細胞は誘導されなかった。以上よりJEVE蛋白上のエピトープはアミノ酸282-290番のCYHASVTDLであることが示唆された。
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