研究課題
(1)菅原らは、種々のグリコサミノグリカンのタンパク質への結合領域および二糖繰り返し領域について構造解析を行うとともに、ウシ胎児血清中に見い出したコンドロイチン硫酸の繰り返し二糖構造の合成に関与するGalNAc転移酵素II、GlcA転移酵素II、デルマタン硫酸硫酸基転移酵素の精製を行い、性質を明かにした。Lindahlらは、マウス肥満細胞種の産生する上記の酵素を部分精製し、菅原らと共同で、活性調節の機作を解明した(論文)。この研究にあたって、小川らは、菅原らが結合領域に見いだした新規硫酸化構造の化学合成を行い、酵素基質を供するとともに、糖糖転移酵素の新規の反応生成物の構造確認のために、酵素反応生成物の化学合成も行う。田村らは、菅原らにより構造解析された結果に基づいて、リン酸化されたオリゴ糖を化学合成した。リン酸化されたオリゴ糖の酵素基質としての、活性の強さは現在検討中である。(2)菅原らはイカ軟骨由来のコンドロイチン硫酸Eから新規の四糖を単離し、DellらおよびKhooらは、菅原らが単離、精製したオリゴ糖の質量分析を行い、菅原らの^1H-NMRのデータと合わせ、それらのオリゴ糖の完全一次構造を決定することに成功した。それらは従来知られていなかったグルクロン酸-3-硫酸構造を含んでいるものもあった。さらに、それらを基質として、構造解析に必要なコンドロイチナーゼの基質特異性を明らかにした(論文)。
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