研究課題/領域番号 |
09044350
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
真田 正幸 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40084264)
早川 浩 九州大学, 医学部, 助手 (70150422)
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30180350)
作見 邦彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50211933)
続 輝久 九州大学, 医学部, 教授 (40155429)
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キーワード | アルキル化剤 / 修復塩基 / モノクローナル抗体 / 遺伝子欠損マウス / DNA修復 / 修復メチルトランスフェラーゼ / 遺伝子ターゲティング / O^6-メチルグアニン |
研究概要 |
アルキル化剤は強力な突然変異誘起作用をもち、動物に投与すると癌を生じる。アルキル化作用をもつ物質は正常の細胞内にも存在し、それが自然突然変異や自然発癌の一因を成しているという指摘もある。アルキル化剤によってDNAに生じる修飾塩基の種類は多いが、その中でO^6-メチルグアニンが突然変異を起こすDNAの傷として注目される。そこでO^6-メチルグアニンを特異的に修復する酵素(O^6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ)を欠くマウスを作製し、この修飾塩基の生成と消失、および発癌との関連を動物個体レベルで検討しようとするのが本研究の目的である。 正常のマウスとMGMT欠損マウスに様々な量のメチルニトロソウレア(MNU)を腹腔内注射したところ、MGMT^<+/+>マウスのLD_<50>が240mg/kgであったのに対しMGMT^<-/->マウスのLD_<50>は20mg/kgであった。致死量以下(2.5mg/kg)のMNU投与によってMGMT^<-/->マウスは正常マウスに比べより高い率で胸腺や肺に腫瘍を生じた。そこでドイツのエッセン大学のRajewsky教授の研究室で作製されたO^6-アルキルグアニンを特異的に認識するモノクローナル抗体を用いてマウスの組織中のMNU投与後のO^6-アルキルグアニン量の時間的変化を逐うことにした。このため本研究班の早川治と作見邦彦がEssen大学を訪問し、また先方よりT.Schweerが九州大学を訪れて実験を行うとともに、研究結果の解析と今後の研究方向や計画について討議した。本研究計画を完成し論文として発表するにはなお継続して実験することが必要であるが、これまでにMGMT欠損の効果を的確に判定するためのMNU投与量や測定期間が決定された。またモノクローナル抗体による測定の条件も設定でき、さらに実験を継続中である。
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