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1997 年度 実績報告書

乳幼児突然死症候群の成因に関する遺伝的、分子病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09044356
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

高嶋 幸男  国立精神・神経センター, 神経研究所, 部長 (70038743)

研究分担者 山内 秀雄  国立精神, 神経センター神経研究所, 研究員
小野寺 一清  国立精神, 神経センター神経研究所, 研究員
パンフレッツ R  シドニー大学, 病理, 教授
ベッカー LE  トロント大学, 小児病院神経病理学, 教授
キーワード乳幼児突然死症候群 / 脳幹 / 呼吸調節 / カテコラミン / 神経伝達物質
研究概要

乳幼児突然死症候群(SIDS)は生後2から4ヵ月に好発し、睡眠中に起きる。その原因は未だに不明であるが、睡眠中の呼吸循環の神経性調節機構の発達における異常や未熟性などが発生機序として考えられている。本邦でも、SIDSの登録が開始され、全国各地からSIDS脳が送られてくるようになってきた。今まで、脳幹における呼吸中枢の発達と異常を検討し、脳幹に反応性アストロサイトが多いこと、シナプスの発達が遅れていること、サブスタンスPが増加していること、およびカテコラミン作動性神経細胞が減少していることを報告したきた。今回、SIDS患児脳の基底核・間脳において、カテコラミン作働性神経の発現を免疫組織化学的に検討した。SIDS患児脳の基底核・間脳において、カテコラミン作働性神経の発現を免疫組織化学的方法を用いて検討した。Tyrosine hydroxylase(TH)陽性細胞・線維は基底核、線状体黒質・淡蒼球黒質線維に認められ、淡蒼球では新生児期にすでに陽性線維を認め、2カ月で強陽性が見られ始め、4カ月より全例陽性、強陽性線維が認められた。SIDSでは、淡蒼球と線条体では新生児期にすでに軽度陽性に認められたが、2カ月以後も弱陽性のものが多く、統計的に有意であった。SIDSでは、脳幹のみならず基底核にも、カテコラミン作動性神経の発現低下があり、SIDS発生の素因となっていると考えられた。一方、シドニー大学を訪問し、SIDS脳の標本作製を見学し、分子病理学的な共同研究の具体案を作製した。シドニー大学のパンフレット教授を招へいし、うつ伏せ寝に際しての頸部屈曲時の椎骨動脈の狭小化による脳幹血流減少と脳幹グリオーシスには関係があることを討論した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takashima S: "Evidence of brain ischemia in eary neonatal sudden death syndrome." Neuropediatrics. 38. 045-148 (1997)

  • [文献書誌] Takashima S: "Catecholamine neurons alteration in the brainstem of sudden infant death syndrome victims." Pediatrics. 101. 285-288 (1998)

  • [文献書誌] Takashima S: "Early expression of proteolipid protein in human fetal and infantile cerebri." Pediatr Neurol. 17. 235-239 (1997)

  • [文献書誌] Takashima S: "A developmental expression of AMPA selective glutamate receptor subunits in human basal ganglia." Brain Dev. 19. 388-392 (1997)

  • [文献書誌] Takashima S: "Immunocytochemical devlopment of transferrin and ferritin immunoreactivity in the human pons and cerebellum." J.Child Neurol. 13. 59-63 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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