研究課題/領域番号 |
09044356
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
高嶋 幸男 国立精神・神経センター, 神経研究所, 部長 (70038743)
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研究分担者 |
小野寺 一清 国立精神, 神経センター神経研究所, 研究員
パンフレット R. シドニー大学, 病理学, 教授
アームストロング D. テキサス小児病院病理学, 教授
ベッカー L.B. トロント大学, 小児病院病理学, 教授
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キーワード | 乳幼児突然死症候群 / 脳幹 / 呼吸調節 / 神経伝達物質 / カテコラミン / セロトニン受容体 |
研究概要 |
乳幼児突然死症候群(SIDS)は生後2から4ヶ月に好発し、睡眠中に起こる。その原因は未だに不明であるが、睡眠中の呼吸循環の神経性調節機構の発達における異常や未熟性などが発生機序として考えられている。本邦でも、SIDSの登録が開始され、全国各地からSIDS脳が送られてくるようになってきた。今まで、脳幹における呼吸中枢の発達と異常を検討し、脳幹に反応性アストロサイトが多いこと、シナプスの発達が遅れていること、サブスタンスPが増加していること、およびカテコラミン作動性神経細胞が減少していることを報告してきた。カテコラミン作動性神経細胞の線維は基底核でも低下した症例が有意に多く、SIDSの素因となっていると考えられた。また、SIDS患児では、セロトニン作動性神経細胞も中脳から延髄の脳幹の呼吸関連中枢で減少していたが、セロトニン受容体は延髄呼吸中枢では減少し、上位中枢の中脳灰白質では増加ししていることが多く、カテコラミン異常に加えて、セロトニンによる発達的呼吸循環調節異常が示唆された。特に、中脳の中心灰白質では、セロトニン作動性神経細胞の減少とセロトニン受容体の増加という異常所見は特異的であった。一方、共同研究を遂行するために、シドニー大学を訪問し、SIDS脳の研究標本作成を見学し、分子病理学的な共同研究の具体案を作成した。シドニー大学のパンフレット教授を招へいし、うつぶせねに際しての頚部屈曲時の椎骨動脈の狭小化による脳幹血流減少と脳幹グリオーシスには関係があることを検討した。また、カナダのトロントと米国のヒューストンでは、今までの研究成果を討論し、小児神経学会で成果発表を行った。
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