コンピュータによる初期近代英語の研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09045007
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 今井 光規 大阪大学, 言語文化部, 教授 (60034584)
• 研究分担者: 渡辺 秀樹 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (30191787) ; ZWTTERSTEN A コペンハーゲン大学, 英語研究所, 教授
• キーワード: 初期近代英語 / 英語史 / OED / 英語訳聖書 / ヘルシンキコーパス / コーパス言語学 / 初期近代英語の発音 / 初期アメリカ英語

研究概要

本研究は、ヘルシンキコーパス及び翻訳聖書その他を資料として、英語史的観点から初期近代英語(初期アメリカ英語を含む)の語彙と統語法・文体を、主としてコーパス言語学的方法で分析することを目指す。
渡辺は、トウルク大学及びヘルシンキ大学の英語科主催のセミナーに於いて、(1)-ROM版OEDを活用した語彙に関するコーパス言語学的な研究発表を行なった他、ジェーン・ロバーツ博士来日の折に古英語辞書と同意語辞典の編纂方針について討論を行なった。チェタステーンは、阪大を訪問し、今井・渡辺他と資料の検討を行った。また、昨年度に引き続き、ニューイングランドを訪問し、主として文献によって、発音及び語彙に関する初期アメリカ英語の研究を行った。この研究の実施には、フィンランド訪問時ヘルシンキコーパス関係者と行った討論及び今井のデンマーク訪問時の討論と資料収集の成果が活用された。今井は、ヘルシンキコーパスについて、その史的研究への利用方法の検討、及び中英語ロマンス作品の表現に関する語彙の研究を継続した。
以上のほか、一昨年度阪大で開催した「アンクレネ・リウレ」シンポジウムの主要部を平成11年度末に刊行するための準備作業を行った。
更に、平成10年7月11、12日に、前述のシンポジウムから、さらにテーマを広げ、延べ43名のパネリスト・司会者を動員して「大阪大学・コペンハーゲン大学学術交流プログラム記念シンポジウム」を阪大で開催した(このシンポジウムは、本国際学術研究からの提案で本学言語文化部英語教育講座主催として実施され、学内はもとより、関東、九州にいたる各地から研究者たちの参加が得られた)。

研究成果

• [文献書誌] 渡辺秀樹: "OED3に収録される新語・新語義" 言語文化学. 24. 315-325 (1998)
• [文献書誌] Watanabe,Hideki: "Jane Roberts and Christiankay with Lynne Grundy: A Thesautus of Old English" Studies in English hiterature. 132-138 (1998)
• [文献書誌] Watanabe,Hideki: "A reconsideration on paet was god cyning type sentences in old English Poems" 言語文化研究. 24. 91-103 (1999)
• [文献書誌] Watanabe,Hideki: "Final Words on Beowulf 1020b:brand Healfdenes" Neuphilologishe Mitteilungen. (印刷中). (1999)
• [文献書誌] Watanabe,Hideki: "The Quotations from Old English poems in OED2 with special reference to Beowulf" Lexicographia Series Maior. 9(印刷中). (1999)
• [文献書誌] Imai,Mitsunori: "Merisms in Habelok The Dane" Proc.from the 6th Nordic Conf.for English shdies. 2. 327-336 (1997)
• [文献書誌] Zettersten,Arne: "Ancrene Riwle" Oxford University Press (印刷中), (1999)
• [文献書誌] Zettersten,Arne: "A New English-Danish Dictionary" Gyldendal (印刷中), (1999)