研究課題
国際学術研究
1.地域社会スポーツと学校体育の関係に関する日独比較研究ドイツではフェラインと呼ばれる地域スポーツクラブが発達していて、あらゆる年齢層の人々が好きなスポーツ種目を地域社会の中で楽しむ機会をもっている。しかし、フェラインが学校体育に先行するため、多面的なスポーツ経験のないまま早い時期に一つの種目に専門化するケースが多く、生涯スポーツ促進の観点から問題視されている。そこで近年では、スポーツ種目毎の縦割りではなく、包括的な運動経験を保証する子供向けの指導案がフェライインと学校の代表者によって作られ、実施に移されようとしている。日本では目下学校教育のスリム化が図られているが、学校と地域社会を包括する生涯スポーツ・コンセプトのないまま、それが進められるとしたら、実のない改革になってしまう危険性がある。2.市民のライフスタイルと健康・体力・運動能力の日独比較研究単純化して言えば、ドイツの生涯スポーツはフェライン中心型であり、日本のそれは学校中心型である。この両者の違いは、市民のライフスタイルや健康・体力・運動能力にどのような形で表れるのか。現在、調査項目をハイデルベルク大学と奈良教育大学との間で調整中であるが、このような実証的研究はこれからの生涯スポーツのあり方を考える上で必要不可欠であろう。