研究課題
和田は中世のブリテン島へのフランドル人移民政策の結果もたらされた中英語への影響を考察した。当時フランドル人が多く定住したイングランド中西部とウェールズの社会状況についても研究を進めた。安川は特に15世紀のイングランドに及ぼしたフランドルのポリフォニー作曲家の影響を調査研究した。加藤はまず、ヘンリクスの「照明の形而上学」の構造を解明し著書にまとめた(創文社刊、後掲)。また、パリ大学におけるヘンリクスの論敵ゴデフリドゥスの著作を翻訳し解説と訳注を付した(平凡社、後掲)。本年度よりルーヴェン・カトリック大学より本共同研究のメンバーに加わったラトレは16世紀に完成したティンダルと力ヴァーデルによる英語訳聖書とアントワープについての研究を行った。彼は今年度、この国際学術研究のため招へいされ、その成果は関西大学東西学術研究所、及びフランドル政府の機関であるベルギー・フランドル交流センターにおいて開催された特別講演会で発表された。ボスイットは15-16世紀のドイツにおけるフランドルのポリフォニーの影響について研究調査を進めた。トゥルノアは15-16世紀の低地諸国における人文主義とネオ・ラテン文学作家の書簡についての調査・編纂を続けた。9月には日本側メンバー全員がルーヴェン・カトリック大学でベルギー側研究者とともにこのプロジェクトのまとめとしての出版計画について話し合い、意義深い意見の交換が出来た。
すべて その他
すべて 文献書誌 (4件)