研究課題/領域番号 |
09045027
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
野口 定久 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (30208318)
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研究分担者 |
大竹 秀樹 日本福祉大学, 経済学部, 助教授 (50247673)
石河 久美子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (30298559)
水野 信義 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (90109348)
川田 誉音 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (00105420)
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キーワード | 滞日フィリピン女性と日本の家族 / フィリピン花嫁 / 在日エンタティナー / 滞日外国人と / 日本の地域社会 / 滞日外国人の精神的ストレス / 異文化交流 / 滞日外国人社会福祉援助プログラム |
研究概要 |
本調査研究の目的は、わが国におけるフィリピン出稼ぎ労働者の生活実態とフィリピンの貧困問題の実状を探る中から、滞日フィリピン女性の生活保障にかかわる法政策の形成およびフィリピン側からの出稼ぎ労働者の押し出し要因、帰国後の対応など両国間の社会福祉問題の関連性を分析し、具体的な問題解決の手法を開発することにある。日本福祉大学側は、調査地・調査対象を長野県飯田市に定め、滞日フィリピン女性が日本での家族や地域社会においてどのような生活や福祉・医療のニーズをもち、どのような精神的ストレスや悩みを抱いているのかを理解し、本人や家族員、地域社会がそのニーズや悩みを共に解決していく関係を築いていくための社会福祉援助プログラムの手法を開発することをめざしている。その結果、フィリピン女性が抱える精神的問題として、(1)コミュニケーションの問題(言葉の壁、日本の習慣と文化の違いから来るもの、宗教上の問題等)、(2)日本の「家」に嫁いだフィリピン女性の高ストレス等が見られた。援助の具体的な要望としては、ガイドブック、英語、母国語対応のパンフレット、日本語クラスの充実化、特に相談窓口(法律相談、家族問題相談、情報提供)の設置を望む声が多数みられた。フィリピン大学側は全体構想の中で、滞日フィリピン人エンタテイナーの帰国後の生活実態調査を(20ケースのヒアリング)分担し、実査はマニラの都市部とマニラ郊外の農村部で実施した。その結果、(1)帰国した女性に対するコミュニティの偏見や差別の問題が認められること、(2)帰国女性への援助にNGOの団体が大きな役割を果たしていること、(3)フィリピンにおける健康保険制度への認識が弱いこと等が報告された。これら両大学の調査結果の報告書は、5月上旬までに取りまとめて、刊行する予定である。
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