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1998 年度 実績報告書

光誘起分子構造ダイナミックスの時間分解分光

研究課題

研究課題/領域番号 09045038
研究機関早稲田大学

研究代表者

高橋 博彰  早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063622)

研究分担者 ZADKOV Victo  モスクワ大学, 物理学部/国際レーザーセンター, 助教授
KOROTEEY Nik  モスクワ大学, 物理学部/国際レーザーセンター, 教授
酒井 誠  早稲田大学, 理工学部, 助手 (60298172)
中井 浩巳  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00243056)
伊藤 紘一  早稲田大学, 理工学部, 教授 (40008503)
キーワード光誘起分子 / ダイナミックス / 時間分解分光
研究概要

(1) ジベンズアゼピンの光励起状態の構造とダイナミックス:ピコ秒時間分解吸収分光を用いて,この化合物は光照射直後の20psの間に,3種類の過渡分子種を逐次生成することを明らかにした.特異値解析の結果,これら3種の過渡種はそれぞれ520,505,499nmに吸収極大を持ち,各々の寿命としてそれぞれ9.7,9.2,230psが得られた.また,励起波長依存性から499nmの過渡種は高次の励起一重項状態(S_n)であることが分かった.505,520nmの2種の過渡種はコンフォーメーションの異なるS_1状態であり,505nm種は基底状態と同様に折れ曲がった構造のFranck-Condon状態と考えられる.一方,532nmプローブの共鳴ラマンスペクトルにおいて,真中の七員環のC=C伸縮振動の寄与が大きいと考えられる1585cm^<-1>のバンドが励起後10psの時間で1593cm^<-1>へ高波数シフトすることから,520nm過渡種は平面構造をとっていると結論される.
(2) ルシフェリンの光反応:電子励起-重項状態(S_1)のピコ秒時間分解吸収/螢光スペクトルの時間依存性はは,4準位モデルを仮定することにより説明できることが分かった.このことから,ルシフェリンのS_1状態にはコンフォーメーションの異なる2種の異性体が存在すると結論した.すなわち,基底状態と同様の構造をもつFranck-Condon状態は180psの寿命で基底状態に戻るとともに,50psの寿命で構造の異なるS_1状態へと変化する.このS_1状態は480psの寿命で最初とは異なる基底状態へ落ちる.この基底状態から最初の基底状態への戻り反応はナノ秒の時間領域で起こる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] E.Cherednikova,A.Chikishev,O.Kosobokova,M.Mizuno,M.Sakai,H.Takahashi: "Picosecond Time-Resolved Absorption Spectroscopy of Luciferin" Chemical Physics Letters. (発表予定).

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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