研究課題
基盤研究(B)
(1)KEKB用補正電磁石の制作共同研究の一環として、BINPがKEKB用の水平用補正2極電磁石約900台の製作を担当した。KEKBのような高性能加速器においては、補正2極電磁石といえども最新の注意をもって製作されなければならない。BINPが蓄積してきた経験の上に、KEKB用の補正2極電磁石は製作と磁場測定が行われた。(2)ビーム・ビーム効果に関する理論的な研究およびBINPにおける円形ビーム衝突の研究ビーム・ビーム効果について、a)ヘッド・テイル効果によるビーム・ビーム不安定性、b)ビーム・ビーム効果のエミッタンスへの影響、c)バンチの縦横比を変えたときの、フリップ・フロップ効果、の3つの理論的な研究をおこなった。円形ビーム衝突は、通常の扁平ビーム衝突に比べて高いルミノシティが得られる可能性があり、十分な研究が必要である。BINPにおいては、将来計画であるファイ・ファクトリーにおいて円形ビーム衝突が可能であり、また、現存の加速器であるVEPP-2Mにおいて、実験的な研究が計画されている。本共同研究においては、円形ビーム衝突に関して、BINPとKEK間で研究者の交流を行い、議論を行った。(3)高速イオン不安定性の理論的な研究大電流を蓄積する電子リングで深刻な不安定性である、高速イオン不安定性が、バンチトレイン内でのチューンが変化することにより、安定化される可能性についての理論的な研究を行った。(4)KEKBのコミッショニングKEKBのコミッショニングは平成10年12月から始まり、平成11年6月からは、BELLE測定器による衝突実験が開始された。KEKBのルミノシティは順調に向上し、平成12年2月には10^<33>cm^<-2>s-^1を超えた。コミッショニングはBINPから研究者も参加して行われた。
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